2020年5月9日土曜日

アジアで国内線需要に回復の兆し、日本はいつ?

Asian Markets Start Domestic Travel Rebound

Adrian Schofield May 06, 2020

domestic route flight capacity
Vietnam Airlines is adding flights on domestic routes as restrictions ease.
Credit: Airbus

完全復活はまだ先としても、期待できる兆候がアジアのエアラインに見えてきた。
国内路線再開は中国が先行し、韓国、ヴィエトナムが続く。ただし、インドネシアや日本などでは国内運行が削減されたままで、回復は一様とは言えない。
  • 国内需要の復活は中国、韓国、ヴィエトナムで顕著
  • 海外旅行ができず国内観光が増える
COVID-19で航空便は大幅削減され需要が減少している。最も大きな被害を受けた国が最も大きな回復を見せる一方で、その他の国では大量発生が峠を越したとは言えない状態だ。
国内航空需要は国際線より先に回復の予想がある。国内で旅行制限が解除されれば国内路線網を多く持つエアラインが有利となる。
【中国】COVID-19が最初に発生した中国がこの傾向を実証し、国内輸送容量が増加中だ。北京への国内旅行制限が解除された4月30日から旅行需要も加速している。また全国人民代表会議が5月22日開催と正式に決まったのも朗報となる。
【韓国】韓国は最大のウィルス被害を初期に受けたが、以後はウィルス封じ込めと感染予防に成功している。国際線は各国の政策で打撃を受け、国内路線も大幅削減された。
大韓航空の国内路線は4月に対前年比60%減だったが、5月は52%減に転じた。同社は4月28日まで国内17路線中6路線のみ一日36便を運行していた。だが5月18日までに15路線で59便を毎日運行する。
LCCのチェジュ航空は50%もの減便をしていたが今後は運行再開を増やすと発表。
【ヴィエトナム】ヴィエトナムも国内路線運行再開に向かっている。政府の措置によりヴィエトナム航空はハノイ-ホーチミン線で一日一便のみ運行となった。
ヴィエトナムも公衆衛生で成果を上げ、政府は国内路線を順次再開させる。CAPAとOAGのデータではヴィエトナム航空の国内線輸送容量は4月初めが底で以後増加に転じている。4月23日から同社はハノイ-ホーチミン線をデイリーで4-6便に増やし、5月に11便とする。その他幹線も増便する。
【マレーシア】エアエイジアマリンドエア両社もCOVID-19の影響で国内運行を停止していたが、4月27日から限定付きで再開した。だがマレーシアでロックダウン措置が5月12日まで延長されたせいもあり初日の利用は低調だった。
マレーシアの国内需要は今年末までに2019年実績の8割までに回復するとPwCが予測している。国内旅行で海外旅行であいた穴を埋める期待があるためという。
【日本】その他国の短期的見通しは暗いままだ。日本の国内運輸容量はまだ増加に転じておらず、日本航空は4月初期の運休37%が5月10日は68%に増える。全日空も国内便は4月28日時点で7割を運休していた。日本政府は緊急事態を5月31日まで延長し、国内移動を制限している。
【インドネシア】インドネシアの国内路線への影響は他国よりは軽かったが、4月24日に状況が大きく変わった。同日に政府が定期旅客便運行を6月1日まで停止すると決めたためだ。大量の国民移動で感染の広がりをを恐れラマダン、エイド期間の里帰りを制約した。

総合するとアジア各国のエアライン業界は低調な状態のままで、当面はこれが続く。ただし、朗報が少ない中で、成長の兆しをうかがわせる事例からトンネルも先が見えてきた。■

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