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2019年6月13日木曜日

MRJからSpaceJetへ。M100(76席型)に軸足を移す構えの三菱航空機

Mitsubishi rebrands MRJ as SpaceJet and plans new 76-seat variant
Asset Image

三菱航空機はMRJをスペースジェットと再ブランド化し米国市場に76席仕様のM100で参入を図る。Mitsubishi Aircraft

13 JUNE, 2019
 SOURCE: FLIGHT DASHBOARD
 BY: JON HEMMERDINGER
 BOSTON
https://breakingdefense.com/2019/06/with-fcas-french-air-forces-renaissance-begins/?_ga=2.249066048.617291603.1560425748-835073440.1556677463

菱航空機はMRJをスペースジェットと再ブランド化し米国市場に76席仕様のM100で参入を図る。Mitsubishi Aircraft
三菱航空機はMRJ事業を再構築し、ブランド名をスペースジェットとしMRJ70開発は中止、あらたに76席型をSpaceJet M100の名称で開発する。MRJ90はSpaceJet M90に改称される。

同社はM100のキャビンモックアップをパリ航空ショーで展示し「今年末に」正式な新型機開発を開始する。この機体は米国内のリージョナルエアラインの要求内容に合わせたと同社は説明。

SpaceJet M90が路線就航2020年予定に向け準備するのと並行しSpaceJet M100を発表し、リージョナル市場の現在、将来のニーズに対応すると三菱航空機社長水谷久和が述べている。リージョナル機の最大市場米国に適合する機体として同社が企画した。

ファーストクラス、プレミアムエコノミー、エコノミーの3クラス仕様で76席とし最大離陸重量(MTOW)は39トン(86千ポンド)と米リージョナルキャリアー各社の大部分の運用制限内に収まる。いわゆるスコープクローズとして大手エアラインとパイロット間の労働協約で支線機材では76席39トンを超える機体に成約がある。三菱航空機では制約に適合する機材がこれまでなかった。
M90は2020年路線就航予定だがMTOW制限を超える。中止となったMRJ70は重量制限は満たすものの2クラス仕様で69席しかなく、76席機材のエンブラエル175に対して訴求力が低かった。

三菱航空機が開発を進め型式証明段階へ入ればM100は米リージョナルエアラインの要求水準を満たす76席リージョナル機として唯一の新設計新世代機となる。

「中止となるMR70のコンセプトを出発点に生まれたM100は特定の市場ニーズに合致する設計」と三菱航空機は説明。「米市場ではスコープクローズに合致するよう機材が最適化し65-76席の範囲で3クラス編成の客室となっている。その他地域のニーズにも柔軟に対応できる設計で単一クラスなら88名まで運べる」
MRJに関するニュースは数週間にわたり流れており、一部には三菱航空機で76席型は事業の成功に不可欠との見方もあった。

M100では同社は全長、貨物スペースやオーバヘッドビン、座席配置を最適化したと述べている。M100の設計がM90やMRJ70とどこが違うのか三菱航空機からの説明はまだでていない。

M100は全長34.5m(113 ft)でM90より1.3m短いがMRJ70より1.1m長いと三菱航空機発表の仕様諸元でわかる。

航続距離は1,910nm(3,450km)でM90の2,040nmよりわずかに短い。エンジンはプラット&ホイットニーPW1200G双発で推力合計17,600lb(78.3kN)はM90と同じと仕様書にある。MRJ70は15,600lbのPW1200Gとなる予定だった。

M100の貨物スペースは狭くなり13.6m3 (480cb ft) とMRJ70/90の18.2m3から後退。だが客室内のオーバーヘッドビンは充分に広くキャリーバッグも収容できる。

三菱航空機がM100事業案を発表したのはパリ航空ショー開幕の一週間前で親会社三菱重工業がボンバルディアのCRJ事業で買収交渉を発表した後となった。

アナリスト陣にはCRJのグローバル販売・サービス拠点を入手すれば三菱機はエアラインの信頼を得られるとの見方がある。■

2019年6月5日水曜日

三菱重工は赤字のCRJ事業をボンバルディアから買収して勝算があるのか

Bombardier in talks to sell its last commercial jet business to Mitsubishi ボンバルディアは三菱重工へ最後に残るジェット機事業売却を交渉中

The CRJ regional jet once produced the bulk of Bombardier’s revenue, but now it’s losing money CRJリージョナル機事業はボンバルディアの収益の大部分を稼いでいたが今は赤字事業

ボンバルディアは今年1月にCRJの売却含め「あらゆる戦略的選択肢」を模索中としていた。.Bombardier Inc
Bruce Einhorn
June 5, 2019
9:06 AM EDT
菱重工業ボンバルディアInc.のCRJリージョナルジェット事業の買収を狙っていることが判明した。
Air Currentが買収交渉の進行を報じたのを受け三菱重工は買収は決定事項ではないと声明文を発表した。Air Currentは6月17日より開催のパリ航空ショーで発表の可能性があると報じた。
ボンバルディアは三菱重工と交渉中と認め、合意形成にむけ同社トップが検討中とするが、成約の保証はできないと述べた。ボンバルディア(本社モントリオール)はリージョナル機で世界第二位の規模を誇る。
合意に至れば三菱重工はエンブラエルの民間機製造への最大の挑戦者となる。エンブラエルはボーイングに吸収される途中にあるが、三菱重工にはジェット機製造のトップグループにのぼりつめたいとの長年の願望が実現する。
三菱もMRJで独自にリージョナル機の製造をめざすがフライトテストの失敗や経費超過に長年苦しんでいる。昨年は米系エアラインが40機を一挙発注取り消しした。
リージョナル機材は小型のため乗客数もナローボディ機のボーイング737やエアバスSEのA320より少ない。CRJの最大型でも乗客数は100名をわずかに超える程度だ。
ボンバルディアの事業売却は同社に残る民間航空事業の整理となり一つの時代の終焉となるとAir Current は報じた。同社は不採算のCRJ事業の売却先を昨年以来模索していた。
CRJはかつてはボンバルディアの稼ぎ頭だったが、鉄道車両事業やビジネス機事業にその座を明け渡していた。世界各地でCRJはおよそ1,500機が稼働中だ。■

With assistance from Masatsugu Horie and Oliver Sachgau


2019年6月1日土曜日

MRJで何が起こっているのか---三菱航空機は国内報道を否定しパリ航空ショーで正式発表すると言うが

Aviation Daily

Mitsubishi Aircraft Stands By MRJ90 As Priority Version

三菱航空機はMRJ90を中心商品に堅持

May 30, 2019Bradley Perrett | Aviation Daily
高温環境テストでアリゾナ州メサに展開したMRJ90 Credit: Mitsubishi Aircraft

菱航空機はMRJ大型版の重要性を再度表明した。同社が小型版に軸足を移すとの報道への対応。
MRJは「スペースジェット」に改称され一部を米国内生産に切り替えるとの記事が日経新聞に掲載された。
三菱航空機はAviation DailyにMRJ70の改修を進めると2018年11月に語っていた。同型のほうが市場要求への対応が優れるとしていた。今回は5月になり同型のストレッチ改修案が現実味を帯びてきたと語り、詳細は間もなく発表すると同社が述べている。
日経記事では同社は改修型MRJ70に中心を移すとある。
「当社の中心事業に変化はない」と三菱航空機広報はこれに論評。「MRJ90が当社の基盤であり今後も最高優先順位である。型式証明に向け順調に進んでおり、2020年中頃に初号機を引き渡す」
MRJ90は全席エコノミーで乗客88名を想定するが米大手エアラインが業務委託するリージョナル路線で運行ができない。総重量がパイロット側との協約で定めた上限を超えるためだ。
MRJ70の開発はMRJ90から一年遅れているが全席エコノミー仕様で76名を運ぶ。これだとスコープクローズと呼ばれる組合との労働協約でも運行が可能だ。
だが同機の開発を統括するアレックス・ベラミーからは5月に市場は各クラス混合で76席機を求めていると述べ、MRJ70をストレッチする構想を紹介した。ベラミーは改修型にはMRJ70の名称はつかないとも述べた。
三菱航空機はMRJ70の定格寸法を全長33.4メートル (109.7 ft.) とし2クラス仕様で横3席のビジネスクラス9名含み69名を収容できるとする。これを2クラス76名にすると全長35.8メートルのMRJ90と大差なくなる。MRJ90はビジネスクラス9名、エコノミー72名と同社は説明。
日経新聞によれば三菱航空機は米国内サプライヤーによる一部部品供給に切り替えコストダウンを狙い「米国内生産も検討している」とある。だが何を生産するかは言及してない。
各記事に対し三菱航空機広報は「記事は当社発表内容に基づかず当社のグローバル戦略も反映していない。正式発表はショー会場で出す」と6月17日開催のパリ航空ショーに言及した。
だが同広報MRJ90の引き渡し開始2020年との発言は遅れに遅れた同機開発日程にこれ以上の遅延はないとするものだ。本格開発が2008年に始まったが、遅延は計5回7年相当にのぼる。
MRJ70の引き渡し開始は2021年予定のままだが同社からは昨年11月時点でMRJ70試作型のフライトテストの開始時期は2022年時点の市場動向に左右されるとの発言もあった。
MRJはプラット&ホイットニーPW1200Gを搭載し、ライバルのエンブラエルE2とほぼ同じエンジンだ。MRJの機体生産は同社親会社の三菱重工業が大部分を担当している。
同機はまずANAに引き渡される。■


2019年5月19日日曜日

MRJ70の設計変更は米リージョナル機規制の継続を見込んでのものか

Mitsubishi MRJ70 redesign nicknamed 'The Concept'

三菱MRJ70は設計変更されニックネームは'The Concept'に

17 MAY, 2019
 SOURCE: FLIGHT DASHBOARD
 BY: TOM RISEN
 WASHINGTON DC
https://www.flightglobal.com/news/articles/mitsubishi-mrj70-redesign-nicknamed-the-concept-458279/

菱航空機はMRJ70を再設計しエアライン業界の座席数・機体重量制限に対応させる。同社幹部はこれを“The Concept”と呼んでいる。ただし米国でスコープクローズが変更されれば乗客数を増やす余地は残す。

同社幹部は同機の最新状況についてこのたび竣工したワシントン州レントンの新米本社で5月10日報道陣に語った。アレックス・ベラミーMRJ開発責任者はこれまでのMRJ70に代わる"The Concept"は「規制に準拠しつつ規制に制約されない」と語った。

「これまでの作業でMRJ70は改良された」とし「奇をてらった策は追求していない」とベラミーは発言。

業界関係者にはMRJ70を「MRJ76」と呼び同機の座席数に言及する向きがある。

同社は6月のパリ航空ショーに期待を寄せる。MRJ90は米連邦航空局や日本の航空局関係者を乗せテスト飛行に忙しい。

テスト飛行で機材は忙しい。三菱航空機は2019年はパリ航空ショーに出展するが飛行展示の予定はなく一機を地上展示するという。

同機は日本でYS-11ターボプロップにつぐ旅客機となる。 FlightGlobalは今年のパリ航空ショーでMRJ90の記事を配信する。■

コメント MRJ70でどこが変わったのかちっともわかりませんが、MRJは米国のスコープクローズによるリージョナル機規制の緩和を期待していたはずですが、まだ実現していません。各国に規制緩和を働きかける米国ですが紺屋の白袴というところでしょうか。航空ショーの折角の機会なのに飛行展示しないというのはどうでしょうか。実績がないからこそもっとアピールすべきでは。慎重さも三菱重工流なのでしょうか。

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