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2021年12月6日月曜日

予知保全で機体整備費用が大幅に下がる可能性。日本航空、ZIPAIRが利用するSTエンジニアリングの技術サービス。

  

 

ローバル展開するMRO企業の新規契約獲得に予知保全技術が必須になってきた。その中でSTエンジニアリングST EngineeringルフトハンザテクニクAFI-KLM E&Mと並び、部品の作動状況に異常を見つけ残る作動時間を予測し整備上の判断を助けるサービスを開始した。

 

同社は新サービスをコンポネント健康状態管理Component Health Managementと呼び、時間制整備maintenance-by the-hour (MBH)の5年契約を2021年9月より開始し、日本航空及び同社LCC子会社のZIPAIR Tokyoボーイング787全機を対象に統合コンポネントサポートを提供している。 STエンジニアリングは日本航空の737-800でも同様のMBH契約を以前から成約させている。

 

今回のJAL/ZIPAIR向け契約ではコンポネント検討管理を初めて応用する。同社広報は「その他2社とも予知技術を応用したコンポネント健康信頼性管理で契約ができている」とした。

 

同社はコンポネント健康管理の開発を2019年に解

開始し現在も個別分野で開発を進めている。「分析モデルの精度は向上しており、データ収集が進むことでより多くのお客様ユーザーが利用に関心を示している」(同社広報)

 

コンポネント健康管理はSTエンジニアリングが社内開発したもので、市販ソフトやツールを利用し、C#をプログラミング言語とし、マイクロソフトアジュールのSQL、UiPath(手順の自動化用)、やパイソンの公開ライブラリーにあるコードも多数利用した。またTableau Softwareも利用してユーザーは予知内容に加え背後にあるデータパターンも確認できる。

 

開発陣はエアライン顧客のほか、社内専門家と密接に作業し航空機技術、データ分析技術、信頼性工学やサプライチェーン管理まで取り込んだ。

 

予知保全の実施で鍵となるはコンポネントの故障データと関連するセンサーのデータだ。STエンジニアリングでは顧客と連携して故障データ・センサーデータが利用できるコンポネントを選択し、さらに運航に支障を与える程度が大きいコンポネントに絞り込んだ。コンポネント健康管理の対象部品は機種により異なる。健康管理は統合ドライブジェネレーター、表皮のエアバルブ、エアタービンのスターター、その他バルブやエンジンんで作動する油圧ポンプを対象としている。

 

STエンジニアリング広報は対象部品で鍵となるデータは関連センサーから入手し、不良記録、整備中に見つかった問題点レポート、突発交換の平均期間、故障平均時間その他信頼性関連データを利用していると説明。

 

同社によればコンポネント健康管理により不良による遅延や運航取り消しが減り、収益を逃すことがなくなるという。さらに突発の交換整備を定期整備に切り替えるて整備コストを最終的に60%削れるという。

 

STエンジニアリングにとって今回の契約成立は出発点に過ぎない。「対象機種を増やし、顧客層を広げる予定です。参加企業が増えれば解析対象のコンポネントが多様になります」「利用事例が増えれば当社サービスは堅実かつ成熟し、かつMRO業務の貴重な知見を有効活用できます」

 

長期的にはSTエンジニアリングは今回の予知モデルをエンジンサポート事業に応用したいとする。■

 

 

ST Engineering Launches Predictive Maintenance Tool With Japanese Airlines

Henry Canaday December 01, 2021


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