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2020年12月13日日曜日

航空不況、米旅客エアライン業界の雇用総数が30年で最低水準にまで低下している

 San Francisco International airport

Source: Pilar Wolfsteller/FlightGlobal

Covid-19大量流行でほぼ無人になったサンフランシスコ国際空港。2020年12月8日撮影。

 

US passenger airlines’ employment dips to lowest level in at least 30 years

By Jon Hemmerdinger12 December 2020

https://www.flightglobal.com/networks/us-passenger-airlines-employment-dips-to-lowest-level-in-at-least-30-years/141578.article



米定期旅客エアライン全体で10月中旬までの一か月で37千名近くの雇用が削減され、雇用規模は過去三十年で最低水準になった。


給与支払いに充てていた米政府の資金支援策が9月末に終わったことによる削減だ。


10月中旬時点で米系エアライン22社で368,162名が正社員で、9月中旬の404,869名から9%が削減された。(米運輸省調べ)10月の前年同期の雇用総数は454,070名だった。


運輸省が数字を公表開始した1990年1月以来でここまで少ない雇用規模はない。


9月から10月にかけての雇用削減は米大手エアラインが32千名を削減した効果が表れている格好だ。


LCC各社で同時期に1,400名分の雇用が消えており、リージョナルエアライン各社では3,100名が削減された。


連邦政府によるパンデミック救済策は3月に成立し、290億ドルをエアライン各社の給与支払いに投入していたが、9月末日をもって失効した。■


2020年9月13日日曜日

航空不況 シンガポールエアラインズも人員整理に

 

 

Singapore Air Cuts 20% of Workforce as Virus Smashes Travel

By Will Davies

2020年9月10日 19:32 JST Updated on 2020年9月11日 16:03 JST

 

 

エアライン業界はどこまで縮小していくのか先が見通せません。今回はBloomberg記事から優良企業シンガポールエアラインズも人員整理に動いているとの内容です。

 

 

ンガポールエアラインズLtd.は従業員約4,300名を解雇する。対象はシンガポールエアラインズシルクエアスクートの各部門にわたる。労働組合と処置について協議が進行中で早期実施を望むと同社は9月10日に声明を発表した。シンガポールエアラインズでの人員整理は2003年のSARS大量流行以来初めてだ。

 

今回の決定で示されているのは世界トップクラスのキャリアーでさえパンデミックで縮小した航空需要による業界史上最大規模の財政危機を乗り越えられない事実だ。国際航空運送協会は旅客需要がパンデミック前水準に戻るのは2024年と予測している。シンガポールエアラインズには頼りになる国内路線が皆無のため特に脆弱な立場だ。

 

シンガポールエアラインズ、シルクエア合わせて現在の運航規模はパンデミック前の7パーセントで、路線運航再開の動きがあるものの、11月でも11パーセント程度にしか戻らないと同社は発表。

 

同社株は10日に1.1パーセント値下がりしたものの、翌11日は小幅低下にとどまっている。年間では45パーセントの値下がり。

 

シンガポールエアラインズは機材規模と路線網の見直しに入っており、7月にはエアバスSEと、さらにボーイングとも納入日程の調整と支払先送りで合意している

 

生き残れるのはどこか

 

今回の人員整理は同社で110億シンガポールドル(80億ドル)を6月に借入等で確保した中で実施される。またシンガポール政府から雇用支援も受けている。同国財務省は7月時点で150億シンガポールドルを投入しており各社の給与支払を支援中と発表している。その他エアラインと異なり、シンガポールエアラインズは当初こそ雇用削減を回避してきたが、一部社員は病院他での勤務に切り替わっていた。

 

雇用凍結

 

また同社は社員採用を凍結しつつ早期退職、自主退職を求め、1,900名分を削減していた。その結果、グループ全体での追加削減幅は2,400名に絞れたとする。

 

人員整理の効果は3月まで月間13百万シンガポールドルで、同月に政府支援が終了する。その後は20百万シンガポールドル規模になる。

 

6月発表の同社第1四半期業績は赤字10億シンガポールドルという記録的な規模となり、旅客キロメートル収入は99パーセント減った。燃料ヘッジでも損失が発生している。

 

世界各地の状況

 

同様の対応は大手各社で見られ、ブリティッシュエアウェイズルフトハンザエミレイツカンタスエアウェイズでも数千名規模の人員整理や無給自宅待機措置を取っている。米国政府による500億ドル救済策が9月に終了すれば人員整理がさらに増える予測がある。

 

アジアではキャセイパシフィックエアウェイズが傘下のキャセイドラゴンとあわせ香港政庁の雇用支援策に頼らないとしている。これにより同社は雇用規模の維持義務を負わないことになる。

 

ただし、キャセイは子会社一部で政府支援を求めており、ホンコンエキスプレス、貨物部門のエアホンコンキャセイパシフィックケイタリングサービシズがその対象だ。新常態による旅客需要縮小にあわせ各社の規模を調整する必要があるとの認識だ。

 

世界規模では1月以降で400千名のエアライン社員が整理あるいは自宅待機となっている。(Bloomberg調べ) 北アメリカだけでも130千名の雇用が消える予測がある。ユナイテッドエアラインズ・ホールディングスは10月に16,370名を解雇すると発表しており、アメリカンエアラインズグループは19千名としている。■

 


2020年4月18日土曜日

ボーイングの生産再開は4月20日以降に


Boeing Announces Phased-In Return To Commercial Production

Guy Norris April 16, 2020

Boeing Puget
Credit: Boeing

ボーイングは早ければ4月20日よりワイドボディ機生産をピュージェットサウンド地区で再開する。COVID-19のパンデミック流行で生産は一ヶ月近く止まっていた。
また4月20日よりレントン工場も737 MAXの生産再開の準備に入る。
ボーイングは3月25日より2週間に渡り航空機製造を中断していたが、ワシントン州でのコロナウィルス流行により対応が遅れた。同社は施設内の消毒を徹底的に行い、4月20日の第三シフト以降に段階的に生産を再開すると発表。
ピュージェットサウンド地区の社員27千名が747、767、777、787の各機生産を再開する。737生産ライン再開の準備にも入っており、レントンで4月20日以降の対応に入る。747、767、777の各ラインでは必要な人員を4月21日までに確保し、787ラインは4月23日再開となる。
またサウスカロライナ州の787施設は「今のところ操業中止状態のまま」と同社は発表。なお、軍用機生産は今週初めにピュージェットサウンド地区で再開した。
社員の健康とともに物理的に距離を維持する策を連邦、州双方のガイドラインに基づき行うと同社は発表。対策としてシフト開始時間をずらし、出退社時の混雑を緩和する、非接触のための表示、フェイスカバー、どうしても接近が必要な職場では防護手段、各シフト開始時に健康状態のチェック、手洗いの励行以外にビデオ会議は今後も続ける。

生産再開の発表と同日にボーイングは3月の引き渡し実績はわずか30機だったと発表している。2008年以降では最低の水準で、前年同期は149機だった。■

2020年3月21日土曜日

ボーイングが中国ウィルス危機生き残り策を発表

Boeing executives to give up all pay

By Pilar Wolfsteller21 March 2020
boeing building
Source: Boeing

ーイングは中国ウィルス危機で苦境に立つ同社の生き残り策を発表した。
3月20日付けの同社声明文では最高経営責任者デイヴ・カルホーンとラリー・ケルナー会長が今年いっぱい役員報酬を返上するとある。
同社は株式配当も取りやめ、追って発表あるまで自社株買いも停止する。ただ同社では737Maxの墜落事故が重なり346名の犠牲者が発生したため同機運行を停止した昨年から自社株買いはしていない。
「当社はあらゆる資源を投入して事業継続を図り、従業員及び顧客を支援し、サプライチェーンを維持して長期化が危惧されるCOVID-19危機を乗り切る」(ボーイング)
今週はじめにはニッキ・ヘイリー取締役が同社が政府に600億ドルの航空宇宙産業の救済策を要望したことに異議を唱え辞任した。同社は雇用250万名分を守り、ウィルスの被害を抑えるためこの規模の救済策が業界に必要と主張していた。
ボーイングが支援策を求めたのと同日にドナルド・トランプ大統領がボーイングはじめ旅行関連業界の支援策を誓い、エアライン含む各社に税制優遇、交付金、貸付金など総額580億ドル規模だとした。
ところが20日になり、トランプ大統領は政府から救援策を受け取る企業に対しては株式買い戻し禁止措置を課すと述べた。エアライン各社やボーイングにはここ数年の株式市場の活況を受けて自社株買いを活発に行い批判を受けていた。
今回の中国ウィルス流行に先立ちボーイングは737Maxの運行停止で苦境に立たされていた。旅行禁止措置と需要減少でエアライン各社も機材多数の運行を取りやめたり、発注機材受け取りを先送りにしたり、解約する動きが出ている。引取予定の変更や解約は今後更に増えると見るアナリストも多い。■

2020年3月14日土曜日

デルタが300機運行停止、ヨーロッパ路線は全便運休

Delta to ground 300 aircraft and cut all flights to mainland Europe

By Pilar Wolfsteller14 March 2020

ルタエアラインズは保有機材の3割300機の運航を停止し、ヨーロッパ本土へのフライト全便をキャンセルする。▼ この措置で運航能力が4割減の状況が数か月続く。デルタ史上で最大の削減で、2001年9月11日のテロ攻撃の直後より大規模だ。▼ 「ここまで需要が急速に冷え込むのは今まで見たことがない」と同社CEO エド・バスティアンは3月13日付けで全社員に伝えている。「キャッシュを維持し、社を守る方向へ急いで舵を切る」▼ 同社は機材引渡しを先送りし、IT関連支出を削減するほか、経営コンサルタントや委託業者を減らし、社員には自主的無休休職を勧める。▼ 業界は絶壁を落ちる状況にある。米エアライン大手でアジア、ヨーロッパ、南アメリカ路線を運休あるいは削減する動きがみられ、第一四半期の売上は大幅減の予測。ヨーロッパからの米国入国禁止措置を受け米エアライン大手全社が利用客の予約取り消し、利用便変更を追加料金無しで認めている。▼ 「状況は流動的だが今後悪化しそうだ」とバスティアンは述べている。同社は政府と「今回の事態を乗りきるためどんな支援が可能か」協議中だという。
デルタの運航機材は910機とCiriumデータベースにある。■

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