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2019年6月30日日曜日

ロッキードも超音速民間市場に参入、ただし実現は規制の動向に左右されそう

Lockheed Martin adds momentum for supersonic travel


27 JUNE, 2019
 SOURCE: FLIGHT DASHBOARD
 BY: TOM RISEN
 WASHINGTON DC
https://www.flightglobal.com/news/articles/lockheed-martin-adds-momentum-for-supersonic-travel-459352/


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ロッキードの低騒音超音速旅客機の構想図

ッキード・マーティンがNASAと共同開発の騒音低下技術を導入し民間超音速機の開発を検討中で実現すれば超音速機開発を目指す企業に加わる。

ロッキードは低騒音超音速機(QSTA)コンセプトを6月19日米国航空宇宙技術学会主催のフォーラムで発表し、初期設計段階にあると明らかにした。

同社スカンクワークス部門がカリフォーニア州パームデールで製造中のX-59試験機はNASA向けで別事業。QSTAは40席で全長69メートル、翼幅22メートルとXプレーンより大きくなる。

現在の亜音速民間フライトは巡航速度がマッハ0.85程度だがQSTAは陸上上空でマッハ1.6、洋上ではM1.8で巡航する設計とX-59の主任エンジニアを務めるマイケル・ブロナノは言う。

低騒音超音速技術が今後の民生旅客需要の実現で鍵となる。米国では陸上上空の速度制限をM1.0としており騒音対策が目的で、ソニックブームは25マイル(40キロ)以内で聞き取れるという。

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Lockheed Martin

超音速旅客機製造に取り出した他社も2020年代中の路線就航を目指しており、ロッキードも他社同様に亜音速フライトより早く目的地につくのであれば「喜んで追加料金を払う客層」があると述べる。各社は需要拡大を見込みつつ初期費用の削減を狙う。

有償飛行に耐える規模の客席規模の機体づくりをねらうのはブームスーパーソニック一社のみだ。残るエアリオンスーパーソニックスパイクエアロスペースは小型ビジネス機に特化している。

マーケットはある
「需要は間違いなく存在する」とブオナオは断言する。「実現していないのは将来の規制像が見えないためだ」

NASAのX-59は衝撃波によるソニックブーム発生を防ぐ設計だがQSTAではさらに離着陸時の騒音軽減策としてエンジンの消音化も採用する。X-59は連続生産や民生運用を想定せず、GEエイビエーションF414エンジンを搭載する。これはF/A-18E/Fスーパーホーネットと同じエンジンだ

「超音速飛行で離着陸時の静粛化は難題です」とブオナノは認める。「離着陸時の飛行方法を変更すれば騒音は下がります」

.ロッキードのスカンクワークスがX-59をカリフォーニア州パームデールで製造中

QSTA、X-59ともに操縦はヴィデオ画面で行い、従来型のコックピット窓は空力特性を強めた機体にはない。

飛行中の騒音がどうであれブオナノによれば音速の壁を破ってもQSTA機内の乗客には「体感はできない」という。また「高速飛行のため振動もわずかながら改善される」という。

QSTAはじめ各機は高度50千から60千フィートと通常の民間機より高高度を飛行する設計。「そこまで高く飛べば機体から発生する排出物の影響は無視できません」ので高高度飛行中の大気汚染の最小化が必要だ。

X-59が実際に飛べば騒音は受容可能か一般社会の意見が出てくる。XプレーンはM1.5で米国各地を2023年から2025年にかけ飛行しNASAが住民に騒音レベルの調査を進める。

NASAフライトの調査結果とデータで連邦航空局とICAOが超音速旅客機でどこまでの騒音と速度が許容可能化を決定する。

ブームスーパーソニックを創設したブレイク・ショールによれば「海上超音速飛行の需要は十分あり、陸地上空でM1.0以上の飛行を認めるのに数年かかっても変わりない」という。

ブーム(本社コロラド州)はXB-1実証機を製造中で2020年中のフライトテストを目指す。日本航空が10百万ドルを同社に投資しており、有償飛行をM2.2で実現し、最大20機の調達を狙っている。■

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