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2019年3月24日日曜日

主張 フライトデータのライブストリーミングを実施すべきだ

Aviation Week & Space Technology

Opinion: The Time Is Ripe For Live Flight Data Streaming

主張 フライトデータのストリーミング実施の機が熟した


Mar 22, 2019Aviation Week & Space Technology

ーイング737-8で5ヶ月に痛ましい事故二件が発生し、完全な原因究明に至っていないが事態は深刻になりそうだ。737 MAXで進行中の飛行制御系の改修策は昨年10月のライオン・エアJT610便事故で必要が痛感されている。型式証明も絡む。規制当局からメーカー各社への信頼はゆらぐのか。規制当局は海外製部品が現地仕様に合っているか自ら確かめずに他の政府機関の技術解析結果を受け入れるだろうか。
端的に言って各方面がより確実な内容を求めている。
MAX各機の飛行停止措置は以前のエアライン事故事例と一線を画している。エチオピアエアラインズET302便事故発生後米FAAや各国当局は結論を急がなかったが短期間に二件の重大事故が発生し規制当局やエアライン側が運航停止した。ET302便事故後のデータが皆無に近く先のJT610便とのつながりも不明だったが、アクションを先に取ってから検証する今回の動きの意味は大きい。ET302便のフライトデータレコーダー(FDR)から情報を回収した時点で全機はすでに二日間も地上待機になっていた。
飛行停止措置へ社会の支持は圧倒的で業界でも多数が支持しており、労働組合員から一部エアラインまで先に行動を選択したことを評価している。FAAが結果として運行停止措置の発表で一番遅れ、対応の遅さが目立つ形になった。報道では技術専門家ではなくホワイトハウスが決断したという。
これは困った話だ。
安全策をとろうというのは理解できるが航空運輸業界が着実に事故率が下げてきたのは先手を打ったためではない。データに裏付けられた形でリスクを慎重に分析してきた結果だ。この作業には時間がかかるが社会も即席対策は受け入れがたくなっている。もう一機墜落しても社会は慎重な態度のままでいられるだろうか。

737 jet


その必要はないようだ。安全問題専門家もデータの裏付け重視の姿勢を変える必要はない。
その中間に至る方策が広まりつつあり、その根源にマレーシアエアラインズ370便(2014年)、エールフランス447便(2009年)がともに行方不明となった事件がある。この二件から国際民間航空機関ICAOが機体追跡の新基準を制定し、ICAO別表6の改正40となった。だが改正40に有益な究極の解決方法が含まれている。フライトデータに迅速にアクセスすることだ。
エアライン各社は2021年から適用となるICAO基準を守るべくFDRデータを飛行中にストリーミングすればよい。必要なハードウェア、ソフトウェア、通信の専門企業が共同してフライトデータの迅速な利用を実現しようとしている。例としてボーイングのEcoDemonsotror実証ではFedEx保有の777Fを使い、機体状況のライブ映像とともに急な高度変更のようないわゆるトリッガーイベントの前後20分のデータをバファリングしてともにストリーミングした。
データストリーミングから機体の様子を描写する映像もフライドデッキ計器つきで作成され、地上で状況が理解できた。テストではインマルサット、イリジウム両衛星ネットワークを利用し、専用マイクロフォンでコックピット内の音も拾った。
このフライトデータ中継には解決すべき課題もある。たとえばどんな事態でシステムを起動するのか。どこまでをストリーミングするのか。データをどこに移動させるのか。アクセス管理をどうするのか。さらに重要なのは情報をいかに保全するのか。ただし全て答えが見つかる問題だ。
FAA以下規制当局がET302便データにアクセスできていれば、飛行禁止措置に至る過程は今と違っていただろう。ET302便、JT610便の事故原因がよく似ているのなら(どうもそのようだ)MAXはただちに地上待機としその根拠となるデータが手に入るだろう。社会は懸念しつつも規制当局の措置を合理的かつ妥当と受け入れるだろう。

飛行禁止措置をFDRデータの検討で決めるのは理想的な解決ではない。だがデータなしで措置を決定するよりはるかに妥当な結果を生む。■

ご案内:この記事は航空宇宙ビジネス短信ターミナル1(旧)https://wind.ap.teacup.com/aviationbusiness/にも3月中は同時掲載しています。4月からはこちらの(新)ターミナルのみに配信します


2019年3月10日日曜日

エチオピア航空機墜落で737 MAXへの不安高まる ライオン・エア機事故との類似性は?

日曜日にびっくりさせられました。エチオピアで新造の737 MAX-8が離陸直後に墜落、157名全員が死亡とのニュースが入ってきたのです。
事故速報はターミナル4を御覧ください。業界では早速737 MAXへの不安が出ているようです。昨年のライオン・エアも納入して日が浅い機体の全損事故でしたね。Flight Globalが以下まとめています。










Ethiopian crash likely to aggravate unease over 737 Max

チオピア航空のボーイング737 Max 8が離陸直後に墜落したことで同型への不安が再び起こりそうだ。先に発生したライオン・エアでの同型機事故の調査は継続中だ。
エチオピア航空はMax 8を5機運用中で、今回の事故機 (ET-AVJ) は昨年11月に引き渡されたばかりだった。
ライオン・エアの事故機はジャカルタを離陸後12分で海面に墜落した。10月29日のことだった。
インドネシア調査団は事故原因を特定していないが、機体が離陸後2分で制御に問題が発生したことは判明しており、高度が保てず巡航高度に持っていこうとすると機首が自動的に下を向くトリム調整になったという。
飛行速度と高度の表示の異常が墜落3日前に見つかっていた事実も判明しており、機体の迎え角表示と実際の飛行状況が一致していなかった。
ボーイングはライオン・エア事故後に737 Maxを運行中の全社に手動操縦中に迎え角表示のエラーでピッチトリム制御で水平安定板が機首下げを引き起こし、乗員が手動でトリムカットアウトスイッチを入れないと解除されなくなると通告している。
ボーイングは迎え角表示のエラーに速度、高度の不一致も含め兆候が見つかる可能性に触れ機首下げにつながる安定板トリムの操作の重要性を強調している。
ボーイングは今回のエチオピア航空事故について情報を得ており、「状況を注視している」とコメントを出した。
エチオピア機ET302便はナイロビに向け3月10日離陸したがライオン・エア機と同様の問題に遭遇したのか不明だが、やはり離陸後の上昇段階で問題が発生しており、アディスアベバ空港07R滑走路離陸後6分で墜落している。
事故当時の現地天候は視界は問題なく不利な要因はなかった。
エチオピア航空は同型機を30機発注しており、昨年7月から引き渡しを受けている。同社は737-800、-700のほか737-800SF貨物型を運行中。■

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