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2020年12月5日土曜日

ボーイング777X事業は航空不況でどんな影響を受ける?

 日本の航空製造業界にも多大な影響が出そうですね。それにしてもエアバスA350はボーイングにとって面倒な存在になりましたね。

Could The Boeing 777X Program Be Terminated?

Jens Flottau November 27, 2020

https://aviationweek.com/aerospace/aircraft-propulsion/could-boeing-777x-program-be-terminated

 

parked aircraft

Credit: David Ryder/Getty Images

 

ボーイング777X事業が中止になる可能性はあるのだろうか。

Aviation Week民間航空部門主筆のジェン・フロトーはこう見ています。

ーイングは現時点でワイドボディで747-8、777X、787と三機種そろえている。このうち747-8は段階的に消えるが、787が活況を呈すのはCOVID-19流行で比較的小型でありながら効率が良いためだ。一方で777Xは面倒な立ち位置にある。とはいえボーイングが同機事業をすぐにでも中止する可能性は極めて低い。

理由として同機の型式証明取得が長期化し相当の経費がかかっているが、開発予算は大部分支出済みだ。747がなくなれば、787-10がボーイング最大のワイドボディ機になるが、エアバスA350とは機体サイズ、航続距離双方で勝負にならない。既存型777の生産継続は選択肢にならない。運航経済性がA350に及ばないし、選定に残らない可能性が高いが、エアバスに価格値下げさせ収益性を損なわせる効果は期待できる。

同じ理屈がA330neoにあてはまり、エアバスは同機発注が低迷中でも7同機を残している。

ただし777Xの見通しは現時点のトラブル続きの航空市場で不安を残す。ボーイングは型式証明工程を小型の777-8で遅らせ、市場回復まで時間稼ぎをねらう。また737 MAXの飛行再開後初のボーイング機となれば当局が厳しく審査するのは当然だろう。

777Xの受注残の大半はエミレイツエアラインズカタールエアウェイズエティハドエアウェイズが350機中240機と大半を占めている。このうちエミレイツ(156機確定発注)が小型の787やA350に関心を移しており、パンデミック後の路線網再編への投入を検討しているようだ。

エティハドも発注したものの湾岸地域のライバル各社と規模の競争を放棄する路線変更をしている。その他の777X発注エアラインのキャセイパシフィックブリティッシュエアウェイズルフトハンザもそれぞれ大変な状況になっており、国際路線が運航停止し運航再開しても回復は国内線より時間がかかりそうだ。

777Xは大型機であり高需要の長距離路線運航に最適化した機体だが、その路線が今は存在しない。観測筋の大部分も時間が経てば特にアジアでこうした路線の復活を予測するが、ヨーロッパ、北米では可能性は低い。大事なのはエアライン各社に地上待機で比較的機齢が低い従来型777多数があることで、新規製造機体の中短期的販売に影響を与えるかもしれない。■


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