2020年1月26日日曜日

ボーイング777X-9が初飛行に成功

777X first flight

1月25日ペインフィールドを離陸するボーイング777X。



Boeing’s 777X takes to the skies

By Jon Hemmerdinger26 January 2020

ーイング777Xが1月25日にペインフィールドから初飛行を実施した。777Xフライトテストがこれでやっと始まる。737 Maxで飛行停止が昨年以来続いたままのボーイングに郎報だ。
初飛行したのは777-9で、フライトテスト段階が始まる。当初の予定では2019年開始で2020年に型式証明取得を目指していたが、GEエイビエーションGE9Xで問題が昨年発生しフライトテスト開始が2020年にずれ込んでいた。
GE9Xエンジンの問題点は高圧コンプレッサーの固定翼部分で、排気温度が想定より高くなった。原因は部品の早期劣化と判明し、GEは同エンジンを回収し問題は昨年中に解決したと発表していた。
777XのGE9Xエンジンは推力105,000lb (467kN)で従来型777のエンジンより約1万ポンド大きい。
777Xは2013年ドバイショーで発表された。原型の777はボーイング技術力の結晶ともいわれ、フライ・バイ・ワイヤ方式の機体制御とともに非常に成功した商品となった。
ボーイングは当時最先端のソフトウェアで777を設計し、開発段階そのものを変革した。777で双発機の超長距離運行に道が開いた。1995年のユナイテッドエアラインズ向けを皮切りに1,479機を納入している。
777Xはこの実績をもとに生まれた。客室部は10cm広くなり、座席数が増え、複合材主翼は先端部が折りたたみ式となり、燃料消費効率は10%向上したとボーイングは説明。
まず777-9が開発され、全長は76.7mと777-300ERより3メートル長い。777-9の航続距離は7,300nm (13,500km) で2クラス使用で426席となる。777-300ERはそれぞれ7,370nm 、396席。
小型版の777Xは777-8としてボーイングは開発予定だが、昨年から当面の間開発は停止中。777-8は全長69.6メートル、384席で8,730nmの航続距離となる。比較対象の777-200はおよそ6メートル短く、317席で8,555nmの性能とボーイング資料にある。■

2020年1月19日日曜日

アップルが航空業界に関心を寄せる理由とは

アップルが無人機や衛星の急成長ビジネスでロビー活動を米国で展開しているとBloombergが伝えています。無人機に登録番号をつける構想は日米にありますが、アップルは関心を寄せているようです。では記事をご覧ください。


アップルInc.が無人航空機に詳しい法律家をワシントンでロビーストとして雇い、同社が航空業界に関心をよせていることがわかる。▶同社が契約を結んだのはHogan Lovells法律事務所のリサ・エルマンで無人航空機システムが専門の弁護士。▶エルマンはオバマ政権で司法省で勤務しており、アップル社向けのロビー活動を2019年12月から始めている。アップル、エルマンともにコメントを避けている。▶アップルは無人機で地図作成データ収集を数年前から実施中。無人機に仮想登録プレートを義務付ける法案で関係者と12月に接触している。同社は自社ウェブサイトや直売店でDJI製無人機を販売している。▶アップルには衛星の活用を探る専門チームもあり、エルマンの議会対策もこの用途を想定なのだろう。アップルと競合するアマゾンアルファベットも無人機利用を進めている。▶アップルが米上院に開示した資料では同社は2017年、2018年に自律運行機材および無人機運用でロビー活動をしている。▶2019年第1から第3四半期だけで同社はロビー活動に5.5百万ドルを投じたと開示資料にある。グーグルフェイスプックの両社は数百万ドル多い資金を投入している。アップルのロビー活動は税制、音楽著作権、個人情報関連、競合状態、移民問題、フィンテックでも展開されている。■

この記事は以下を参考にしました。

Apple Taps Drone Specialist to Lobby Washington on Aviation

By Mark Gurman and Ben Brody

2020年1月16日 https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-01-15/apple-taps-drone-specialist-to-lobby-washington-on-aviation


2020年1月12日日曜日

2019年エアバスの受注、引き渡し実績が明らかになりました。

アバスは昨年の実質受注は768機、納入実績は863機だったと発表した。引き渡し機数は前年の800機から増加した。

【引き渡し実績】引き渡しの型式別ではまず、A350が112機でうち25機が大型の-1000型だった。A330が53機、A380は8機だった。長距離仕様が173機と年間最大規模になった。A330のうち41機はエンジン換装したA330neoだった。
一方、A320ファミリーの引き渡しは合計642機で、うち551機がA320neo各種だった。
A220は計画規模をうわまわり48機を引き渡した。
【受注実績】受注合計は1,131機にのぼった。また実質受注768機は前年の747機を上回った。
A330neoの実質受注合計は99機となり、通常型のA330は逆に10機の受注減となった。A350受注は正味32機増となった。
単通路機の受注ではA320ファミリーが654機、A220が63機になった。
【発注取り消し】
2019年末時点でA350で33機の発注取り消しがあり、すべて-900型だった。
このうち8機が香港エアラインズによる取り消しで同社の発注残は13機から5機になった。同社へは3機が引き渡し済み。
シナジーエアロスペースは10機発注だったが全機を取り消した。同社は傘下のオーシャンエア運行用に当初A350-800を10機発注していたが-900に変更していた。同社への引き渡しはまだない。
 A350-900ではその他名称不詳の数社むけ23機のうち15機が取り消しとなったとエアバスは発表している。■

今回の記事は以下を参照して作成しています。

Airbus achieves 768 net orders, 863 deliveries, for 2019

2020年1月5日日曜日

定時運行実績が最優秀のエアライン、エアポートはどこ?(2019年版)

全実績と定時運行実績で最上位エアラインはアジア太平洋に集中している。
AirlineRatings.comによる調査結果でカンタスエアウェイズが安全運行実績トップ20の最上位についた。次点はエアニュージーランドと台湾のEvaエアウェイズが同点だった。シンガポールエアラインズが6位、キャセイパシフィックエアウェイズは9位、ヴァージンオーストラリアが10位だった。
AirlineRatings.comは事故件数、利益水準、機材年数で審査した。
これと別にOAG Aviation Worldwideによる調査ではガルーダ・インドネシアが2019年定時運行実績でトップとなった。パナマのコパエアラインズが2位で、スカイマークエアラインズハワイアンエアラインズLatamエアラインズまでが上位5位だった。米系エアラインではデルタエアラインズのみトップ20に入った。 

エアライン
定時運航率
1
Garuda
95.01
2
Copa Airlines
92.01
3
Skymark Airlines
90.12
4
Hawaiian Airlines
87.4
5
Latam Airlines
86.41
6
Aeroflot
86.3
7
All Nippon Airways
85.92
8
Jetstar Asia
85.48
9
Singapore Airlines
85.32
10
Thai AirAsia
84.49
定時運行実績でトップ10のエアライン
Source: OAG Aviation Worldwide Ltd.
経済成長とともに中間層の拡大が原動力となり世界規模の旅客数は2037年までに現在の2倍、82億人に増加するとIATAはまとめている。このうち半数がアジア太平洋地区の利用で中国やインドが牽引役になる。2020年の旅行需要は47億人で2019年から4%成長とIATAは予測している。
OAGでは30百万席以上の利用実績のあるメガエアポートのランク付けを行い、モスクワのシェレメチェボが定時運行実績で昨年トップとなった。ランク付けでは定刻の15分以内の到着出発の実績を調べた。
エアラインの実績は振るわなかったが米国の空港多数が定時運航率で上位に入っている。トップ10のうち6箇所が米国の空港で、アトランタ(4位)、シアトル(5位)、ロサンジェルス(7位)で、J.F.ケネディがトップ入りした一方でバンコクとアムステルダムが脱落した。


空港名
定時運航率
1
Mosco Sheremetyevo
86.87
2
Tokyo Haneda
86.6
3
Changi
84.03
4
Atlanta
83.74
5
Seattle
80.27
6
Madrid
79.92
7
Los Angeles
79.62
8
John F. Kennedy
77.87
9
Denver
76.93
10
Dallas/Fort Worth
76.78
定時運行実績のトップ10エアポート(年間30百万席以上の実績がある空港に限定)
Source: OAG Aviation Worldwide Ltd.

この記事は以下から作成しました。
These Are the World’s Safest and Most Punctual Airlines
By Kyunghee Park
2020年1月3日 11:31 JST

2020年1月4日土曜日

ガルフ・エア、ロイヤルジョーダニアンがイラク定期便運行を停止

バーレイン王国のフラッグキャリア、ガルフ・エア、ヨルダンのロイヤルジョーダニアンエアラインズの2社が緊張状態の激化を受けイラク路線の運行を停止した。
このうちガルフ・エアはデイリーでバーレイン・ナジャフ線、バグダッドは週5便を運行していた。
「ガルフ・エアから乗客の皆様にお知らせします。バグダッド、ナジャフの両空港を離発着する全便は追って通告あるまで運行停止させていただきます。イラク国内の安全状況が理由です」と同社は1月3日通告した。「当社はイラクの安全状況を今後も注視し、乗客乗員の安全を最優先にします」
ロイヤルジョーダニアンはアンマン・バクダッド線を週18便運行するがはやり全便運行停止する。ただし、その他のイラク都市ナジャフ、イルビル、バスラへは通常通り運行する。
royal jordanian
Source: Royal Jordanian Airlines
Royal Jordanian cancels flights to Iraq

ドバイに本拠を置くエミレイツクウェイトエアウェイズカタールエアウェイズの三社もバクダッド初め中東各地を結んでいるがコメントを得られていない。
1月2日に米国がイランの軍事トップ、カセム・ソレイマニをバグダッド国際空港近郊で空爆により殺害し、一気に生きにあの政治的緊張が高まっている。米政府は自国国民にイラクから即時退去を勧めている。■

2020年1月3日金曜日

737 Maxの補償金交渉の一方、飛行再開はめど立たないまま

American Airlines expects to share 737 Max compensation with employees

By Pilar Wolfsteller3 January 2020
メリカンエアラインズは10ヶ月に入った737 Max運行停止で発生した損害でボーイングと協議を継続中で、補償金の一部は従業員に還元する。
昨年10月に同社CEOダグ・パーカーは同社保有のMax24機の運行停止措置で税前利益540百万ドルが消えたと発言した。アメリカンは76機の発注残をそのままにしている。
「ボーイングと補償の交渉中」とアメリカン広報はFlightGlobalに1月2日述べている。「当社が受け取る補償はチームとして共有すべきものと考えています。ボーイングとの交渉は決着次第、詳細をお伝えできると思います」
今週早くにはターキッシュエアラインズからボーイングと交渉が決着し地上待機と納入未実施による「損失分の補償」で「合意形成」できたと発表があった。同社はMax75機を導入予定だったが12機を受領したところで3月になり運行停止措置が始まった。ターキッシュから補償内容の詳細発表はなく、合意が最終なのか中間措置かも不明だ。
ボーイングはサウスウェストエアラインズにも飛行停止にともなう財務損失の一部補償で合意しており、サウスウェストは補償金のうち125百万ドルを利益分配金として従業員へ還元する。
737 Maxの運行再開はめどが立っておらず、連邦航空局は精査を終えていない。同局は型式証明再発行の予定を発表しておらず、安全が確認されるまで再発行はないとの発言を繰り返している。
アメリカンエアラインズは同機運行を4月6日まで停止しており、ボーイングは見通しがつくことを条件に1月に生産再開の準備に入っている。■

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