2021年11月23日火曜日

737MAX:悲惨な事故二例のもととなったAOA迎角誤表示問題の解決のためボーイングはフライトテストを継続中。ストレッチ型737-10から順次新型センサー構成に切り替え。

 時間がかかりましたが、貴重な犠牲のもとにより安全な運航が実現すれば、

進歩となります。ボーイングにはあと一歩頑張ってもらいたいところです。

 

Enhanced angle-of-attack system tests will take place on a Boeing 737-10 in 2022.

Credit: Boeing

 

ーイングは ストレッチ型737-10で迎角 (AOA) 増大システムを搭載した 737 MAXのフライトテストを2022年に開始する。

 

737-8墜落事故でAOAデータの誤りが見つかり、MAXの運航は2019年3月から停止された。2020年末に運航再開が認められたものの、既存機のAOAシステム改修並びに長期にわたる性能改修作業の実施が条件だ。

 

墜落事故二件は機体制御機能増強システム(MCAS)のソフトウェアに原因があったとされ、MCASの作動にはAOAデータが元となり、MAXも先に出た737NGと同様の機体操縦性の実現が目的だった。

 

墜落事件のうちライオンエア610便が2018年10月、エチオピア航空302便が2019年3月ともにMCASがAOAデータをもとに離陸後から機首が上を向きすぎていると伝えていた。両機のパイロットはボーイングが想定していた緊急時対応通りの行動をせず、ともに機体は制御不可能な急降下に陥り墜落した。MCASが繰り返し作動したことが引き金となった。

 

FAAが求めた変更要求でボーイングはMCASではAOAデータをセンサー二基から得て比較対照させることとし、かつ差が5.5度以内となってから機首下げスタビライザーの入力が可能となるようにした。欧州連合航空安全局(EASA)は三基目のセンサー搭載を主張して、さらなるデータ補正効果を期待したが、その後、ボーイングが「合成」センサーAOAデータを別手段で実現すると述べたため、主張を取り下げた。

 

「モニターを増設し、AOAの誤データを早期発見できるようにし、スイッチ操作も可能とします」とマイク・フレミング Mike Fleming上席副社長(民生顧客サポート・民間派生型事業担当)が737 MAX運航再開に際し語っていた。「追加搭載したモニター全部が仮にAOAデータを誤表示したとしても、失速警報器が失速が近いことを教えてくれるのでパイロットはスイッチをオフにできます」

 

改装後のシステムではデータが正しいのか誤っているのかの判断につながるパラメータ5種類を見守る設計だと部レミングはドバイ航空ショー会場で説明し、ボーイングの進展ぶりを紹介した。「データが誤りとわかれば、その部分を使わず、問題は起こりません」

 

改良後のシステムは737-10で2022年にフライトテストする。また完成済みのMAXにもストレッチ型の型式証明が2023年に交付され次第、後付け装着する。基本形となる737-10のフライトテストは6月18日初飛行の後に開始されており、今のところ順調に進んでいるとフレミングは紹介。テスト用3号機は客室内のシステム類を主眼とし、完成済み2機に加わるという。

 

ボーイングは機体短縮型の737-7でもフライトテストを完了しており、「FAAによる新規型式証明に必要な書類作成を完了しており、当社としては準備が整ったが、判断するのは規制当局の側であり、さらなる情報開示を求めらえる場合もある。当社としては型式証明取得と機体引き渡しを2022年という当初予定どおり実現したいと考えています」と語った。■

 

Enhanced Angle-Of-Attack System Set For 737-10 Flight Tests

Guy Norris November 18, 2021

https://aviationweek.com/shownews/dubai-airshow/enhanced-angle-attack-system-set-737-10-flight-tests


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