2021年1月30日土曜日

アメリカンエアラインズが機材、人員の合理化効果を期待。ただし、需要回復の道筋が見えない中、社員処遇は連邦政府援助頼みという状況だ。

  

 

American Airlines Boeing 737 MAX 8

American Airlines Boeing 737 MAX 8

Credit: Boeing

 

メリカンエアラインズは昨年に機材、人員を整理した結果が需要が上向きになり効果を上げると自信たっぷりだが、回復の道筋が見えないことが問題だ。

 

同社の運行は今年末までに2019年実績水準に完全復帰する予定だが、機材数は10%減とし新型大型機を増やす。2020年に旧式機材中心に150機以上を整理し、機材構成を以前の9種類から四種類に統合した。その結果平均機齢が11.2年に下がり、業界中で一番低くなったと同社は述べている。

 

FAAが21ヶ月間の飛行停止措置を解除したのを受け、アメリカンは2020年第4四半期にボーイング737-8を10機受領した。2021年も737-8は9機、787(19機)、エアバスA321neo(16機)が加わるとCFOデレク・カーが説明している。2022年にはA321neoを26機受領するという。

 

「四種類に整理し、機材稼働率を引き上げ、未活用機材を減らしたい」(カー)

 

カーによれば管理職を2020年に三分の一削減し5億ドルの節減効果が生まれるという。連邦政府による給与支払い支援が2020年秋に終了し、

米系エアラインで最大規模の現業部門19千名を自宅待機としているが、政府がエアライン向け支援を昨年12月に延長したため、自宅待機中の従業員は3月31日までに復帰させる。

 

ただし、2021年第1四半期の需要動向は2020年同時期からほぼ変化がなく、CEOダグ・パーカーは政府が給与支払い支援を再延長しない場合、4月1日以降は自宅待機措置の再開を余儀なくされると述べている。

 

「4月1日がちかづき、需要が好転しないと、この措置が必要となる」とパーカーは述べ、同社組合はエアライン支援を景気刺激策の一環として強化してほしいとバイデン政権に要望している。パーカーもこの動きを支援しているという。

 

アメリカンの業績は2020年Q4で21億ドル純損失で収益は年間ベースで64%減だった。今年Q1の回復はわずかとの予想で収益は対前年比で60から65%減となる予想がある。Q1の運行規模は2019年実績から45%減となり、2020年Q4からの変化はごくわずかだ。

 

2020年の通年純損失が90億ドル近くになるとの発表があったが、同社株価は1月28日に50%近く上昇した。

 

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American Airlines Plans Leaner Business Following Pandemic

Ben Goldstein January 28, 2021

https://aviationweek.com/air-transport/airlines-lessors/american-airlines-plans-leaner-business-following-pandemic


2021年1月24日日曜日

主張 ビジネル利用客需要のコロナウィルス前への回復が困難になり、レガシーエアラインの収益構造に大きな影響が出る。逆にLCCには成長の機会が待っている。

 Opinion: Why Business Travel Could Change Forever

Kevin Michaels January 18, 2021

airport terminal

Credit: Grant Faint/Getty Images

 

空旅行需要はいつCOVID-19前の水準に戻るかが今一番多い話題だ。意見は大きく分かれ、大部分はワクチンの大量接種が始まれば、レジャー客が一気に増えると需要増に期待をふくらませる。だが、出張需要はどうなのか、エアライン収益の4割5割を占める利用客は?一気に増えず、構造変化で出張旅行の回復は遅れると筆者は見ており、業界には大きな誤算となりそうだ。

COVID-19の出張需要への影響を評価するため、グローバルビジネストラベルアソシエーション(GBTA)が760社の社用出張管理部門や旅行業界に12月中頃に調査した結果がある。結果に驚かされる。出張旅行支出は2021年に2019年実績を46パーセント下回るとある。この結果はその他機関の調査とも合致する。またCNBCによるグローバルCFO協議会調査では最高財務責任者の半数近くが出張旅行がCOVID-19以前の水準に戻ることはないと見ている。

では影響が最大となる出張旅行形態はどれか。出張を大きく2つに区分する。まず、顧客や業界関係と直接会うための出張で、営業会議や顧客打ち合わせ、現地視察、業界会議などがある。二番目は社内完結型で社内会議、研修、通勤などだ。

GBTA調査では顧客似合うための出張への影響が最小で、同時に顧客支援や個別営業も影響は少ない。これは理屈にあう。営業訪問や関係構築はZOOMでは実施できないからだ。

対照的なのが社内出張で61%減となると調査結果にある。COVID-19による危機状況庭をかけたのがチームズやZOOMといったツールだ。同じ会社の社員が価値観や考え方を共有できればわざわざ出張する必要が減り、社員自身も楽になるが、会社の決算にも好影響となる。社内出張は25ないし30%の構成比で構造的な変化により影響を受ける。

そこまで激減ではないが影響を受ける出張形態がある。COVID-19以前ののボーイング777-300大西洋横断便を想像してもらいたい。国際航空運輸協会調べではCOVID-19前の収益は一便あたり130千ドルで上級クラス利用が45%だった。この際の純利益は10千ドルだった。これが今は収益77千ドルで上級クラス利用客が減り、25千ドルの純損になっている。機体下部に搭載する貨物が増えている状態でこの数字だ。

出張需要での構造的変化の影響は大きい。まず、航空需要全体のCOVID−19前水準への復帰が遅れる。出張旅行予算の引き締めは観光客よりも厳しい。各社CFOは2022年度支出計画をまもなく作成するが、多くは支出削減に向かう。航空旅行需要がCOVID-19前水準に戻るのは早くて2023年末だろう。

二番目に、路線網を広く持つエアライン各社の収支改善は予想以上に遅れる。というのは出張需要が各社の利益で大きな存在になっているからだ。反対に低運賃エアライン部門は出張需要へ依存度が遥かに低く、機材数を増やしマーケットシェアを伸ばしそうだ。

三番目に、出張需要減少で機材小型化に拍車がかかる。同時に長距離路線の細分化が強まり、恩恵が期待されるのがボーイング787やエアバスのA350ならびに今後登場するA321XLRで、大型機の777XやA350-1000には逆風となる。双通路機の生産は当面は低水準のままだろう。

四番目に新型中型機の製造がボーイングにプレッシャーとなる。理想的な機体は単通路で200−240席程度でエアバスA321XLRの競合機となる。遅かれ早かれこの規模の機体の需要が現実となる、あるいはボーイングのシェアが40%を割り込む事態が現実になる。ボーイングの債務水準が高いことを考えると、リスク分担してくれる提携先と一緒に120億ドルから150億ドルの完全新型機になるのではないか。これは既存の大手サプライヤーとの取引関係が終わることを意味する。

サプライヤー各社にも出張需要減少の影響が感じられるはずだ。原材料や内装のサプライヤー企業各社は双通路機への依存度が高く、取引規模をこれまで拡大してきた。ロールスロイスはこの種類の機体に完全依存しており、このため同社の見通しが厳しくなっている。機体整備専門企業の多くも高価格双通路大型機の重整備や改修に大きく依存している。

では出張旅行の変化は永続するのか、それとも調査結果は危機的状況によくある過剰反応を拾っただけなのだろうか。答えを出すのは時期尚早だが、社内出張の減少の背景に興味をひかれる。賢明な企業ならこの機会を活用した企画を立てるだろう。

The views expressed are not necessarily those of Aviation Week.


2021年1月8日金曜日

2020年最も安全だったエアライン20リスト発表。JAL、ANAはランク外に脱落

 *ターミナル1・4同時掲載記事。T4 https://airaccidentsdisaster.blogspot.com/

の旅では安全がすべてだ。事故が起こらないよう乗客は祈る。

 

AirlineRatings.comによるエアライン405社のまとめで2020年の安全実績の最優秀社を見てみよう。

 

カンタスが2014年-2017年に連続でトップの座にあり、2018年は AirlineRatings.comは優劣つけがたいとして20社をABC順で発表した。しかし、カンタスが今回は再びトップに戻った。

 

ランク付けは航空当局や政府による監査結果、墜落含む深刻なインシデントの発生件数、機材の経年数、財務力、パイロット訓練、社内価値観を考慮している。

 

小規模インシデントは考慮に入れない。エアライン各社で毎日発生しているから、というのが理由だ。だが乗務員がインシデントをどう処理するかで安全・非安全の違いが生まれるという。

 

カンタスは60年にわたり、あらゆる面で安全を追求し、ジェット機材の時代になり死亡事故は一回も発生していない。

 

二位はエアニュージーランド、台湾のEVA エアが三位だった。アブダビのエティハドがいきなり四位になった。

 

残るトップ10はカタールエアウェイズシンガポールエアラインズエミレイツアラスカエアラインズキャセイパシフィックヴァージンオーストラリアだった。

 

10位から20位にはハワイアンエアラインズヴァージンアトランティックTAPエアポーチュガルSASロイヤルジョーダニアンスイスルフトハンザKLMが入った。

 

リストに入っていないエアラインで目立つのがブリティッシュエアウェイズANAアメリカンエアラインズユナイテッドの各社でそれぞれ昨年の20位圏から脱落した。日本航空デルタもはランク入りできなかった。

 

ブリティッシュ・エアウェイズは「機材経年数が平均13.8年でインシデント発生件数では乗客の生命に危険はなかったものの、同規模他社より頻度が高いことが組み合わさり」リスト外となった。

 

パイロットの酩酊状態が見つかったユナイテッド、アメリカン、JAL、ANAは圏外となった。

 

他方で、カンタスの画期的な実績を評価しており、ボーイング787によるノンストップ便がパースからロンドンに飛んだこと、さらに最近になりロンドン-シドニー線、ニューヨーク-シドニー線のテスト飛行を実施している点を評価している。同社はエアバスA350を12機発注しており、こうしたノンストップ便運航に投入する。

 

 AirlineRatings.comはトップ10各社間での違いは少ないものの、10位以下ではギャップが広がってきたと指摘している。

 

Low-cost safety

同時に確約航空会社部門の安全ランク付けも発表しており、ここでは実績に大差ないとしてABC順に記載している。Air Arabia、 Flybe、 Frontier、 HK Express、 IndiGo、 Jetblue、 Volaris、 Vueling、 Westjet、Wizz Airの各社だった。

 

World's safest airlines

1: Qantas

2: Air New Zealand

3: EVA Air

4: Etihad Airways

5: Qatar Airways

6: Singapore Airlines

7: Emirates

8: Alaska Airlines

9: Cathay Pacific

10: Virgin Australia

11: Hawaiian Airlines

12: Virgin Atlantic

13: TAP Air Portugal

14: SAS

15: Royal Jordanian

16: Swiss

17: Finnair

18: Lufthansa

19: Aer Lingus

20: KLM


この記事は以下を再構成したものです。日本航空、ANAにはぜひ雪辱を果たして来年のリストに復帰してもらいたいものです。


The world's safest airlines for 2020

Julia Buckley、 CNN • Updated 3rd January 2020

http://edition.cnn.com/travel/article/worlds-safest-airlines-2020-airlineratings



2021年1月4日月曜日

主張 厳しい冬が続くエアライン業界はこの時期どうすごすべきか。利用客の利便性を真剣に考え、あえて構造改革に使うべきだ。その先の将来は明るい。

 EDITORIAL: Airlines' bleakest winter

Karen Walker December 16, 2020

Chicago O'Hare International Airport

Credit: Michael Sanborn

 

年に入ったが、ここ三ヶ月の運航に必要なキャッシュにも事欠くエアラインが多数ある。ワクチン発送はこうした各社に朗報とならず、航空需要が即回復する兆候はない。2020年は政府支援が航空業界にあったが、二回目では規模は限られ、申請も難しくなる。不毛の冬となり、破綻する会社も出るだろう。

 

冬でも希望はある。ワクチン配送は予想より早く始まったが、パンデミックの苦労が長期化すればCOVID-19の解明もそれだけ充実するはずで情報も入るはずだ。

 

エアライン業界も今回の危機状況から学ぶところは多い。固定費と運行経費の比率が高い産業であり、キャッシュが最低水準では無謀と言わざるを得ない。パンデミックによる業務縮小と経費節約からエアライン各社は状況に適応し、痛みのない縮小あるいは成長の方法を体得する必要に迫られている。

 

もっと大きな課題がサービス提供業者としての向上だ。生き残り第一の環境でキャッシュは王様であり、各社は必死にその確保に努めている。だが回復段階がはかどらず、利用客が移動方法を検討すれば、顧客が今度は主導権を握る。エアライン各社は顧客向けサービスの模範生ではなかった。とくに供給を上回る高需要の時期にあてはまった。顧客サービスを一貫して真剣に考えてきたごく少数のエアラインでも飛行移動再開となり顧客から確実に指名されるとはいえない。何ヶ月も利用できなかった顧客や得意先には選択の幅が広いからだ。最終的に利用客、業界双方によい結果が生まれるだろう。エアライン側はマイレージプログラムにあぐらをかき、サービス水準向上を二の次とする状態があまりにも長く続いた。

 

別の言い方をすれば、業界はこの危機的状況から復興し、以前よりよくなれる。一部エアラインはICAOが進めるCORSIA排出ガス対策目標以上の水準をあえて選択している。

 

ユナイテッドエアラインズの2050年完全カーボンニュートラル宣言は利用客、利用企業、投資機関がエアラインに環境への責任を求めているためだ。旧型機を早期引退させ、旅行需要の落ち込みに対応すれば、エアライン各社は持続可能な将来によりよく対応できる。

 

昨年末にIATAのチーフエコノミスト、ブライアン・ピアースは「危機的状況やショックから良い成果が生まれるものだ。ちゃんと考えれば、通常なら実施困難な構造改革が可能となる」と述べていた。

 

大変な一年が終わり、冬が続くが、業界は一層力強く再興できる。■


2020年12月27日日曜日

航空不況に巨大ハブ空港は生き残れるのか。課題はあるがまだ有効なモデル。予想外に早く観光需要が回復すれば....Aviation Weekの記事を御覧ください。

 

Adrian Schofield Jens Flottau December 16, 2020

Frankfurt hubsフランクフルトはじめ各地のハブ空港で乗継便画大幅に減少している。Credit: joepriesaviation.net

 

大ハブ空港は緻密な路線網をつなぐ中心に君臨してきた。しかし、COVID-19の世界的流行で路線網が運行停止しており、ハブ中心の路線網に厳しい状況が続いている。

エアラインビジネス全般が大きな圧力を受けているが、世界をつなぐハブ空港がとくに脆弱に映る。各国の渡航制限を受け、路線そのものが消え、路線ネットワークがいつ、果たして再開できるのか、さらに今までのハブモデルを支えた水準に復帰するかが問われている。

背景に都市間路線の大幅減があり、IATAまとめでは2020年は国際線の減少が目立つ年になったとある。

IATAは2019年までの5年間で全地域で接続性が大きく向上し、ヨーロッパ、アジア太平洋では40%、北米でも26%増えたとする。

一方でコロナウィルスの2020年で大きく逆転した。アジア太平洋では対前年比で76%、北米でも73%それぞれ低下し、その他地域では90%減になった。アジア太平洋と北米の落ち込みが比較的低いのは国内路線網が充実した国が含まれ、渡航制限の影響がやや少ないためだ。

パンデミック前のアジア太平洋では都市間路線が6,270本あった。これはどちらか一方あるいは両方とも同地域内にある国際路線と国内路線を含む数字だ。だが4月は4,020本に急減した。中国国内線を除くと、パンデミック前の4,070本が4月に1,880本になった。

アジア太平洋地区には航空業界でも有数のハブ空港があり、そこを本拠とするエアラインに極めて重要な拠点となっている。その例がキャセイパシフィック航空シンガポール航空だ。

シンガポールのチャンギ国際空港では週あたり提供座席数は12月7日時点で年率87.5%減とCAPAとOAGのデータでわかる。シンガポール航空は大幅な運行縮小のためCOVID-19以前同様の路線接続はできないと同認めている。

乗り継ぎ需要も規制にくわえ利便性低下で大きく影響を受けているとIATAは分析。

多数国で空港内トランジット区域内にとどまるなどの条件で乗り継ぎ需要に対応してきた。香港、シンガポールはともに一部の目的地向け乗り継ぎを再開したが、これは各政府が乗り継ぎ対応が現地エアラインに大きな需要と認識しているためだ。

一方で乗り継ぎ旅客に厳しい制限を課したままの国もあり、IATAはエアライン側とこの解消をめざしている。

ハブ空港での接続便を旅客が歓迎しなくなっている理由は他にもある。

ハブを使うフライトがここまで減っているため、「利便性の高い接続便が十分確保できず」2-3時間以内の接続便運行ができないという。さらに空港多数を経由する旅客が各国で異なる規制にうんざりしていることもある。

マッキンゼーの調査では乗り継ぎハブ空港の役割、パンデミックでハブ空港が影響を受けている中で興味深い考察が見られる。

接続便ハブモデルは実はパンデミック前から課題に直面していた。グローバルレベルで2019年の接続便利用実績は17%に低下しており、2005年は20%だった。これは主にLCCの短距離線で直行便が増えたのが理由だ。

ただし長距離国際路線では逆の現象もある。ヨーロッパと北米間路線は2019年までの14年間は安定しており、アジア北米路線は同期間に大きく成長している。これといわゆるメガハブ空港の成長が一致している。

レポートでは乗り継ぎ需要がパンデミックで特に大きな影響を受けたとある。直行便需要は8月の対前年比で61%減となったが、乗継便はさらにひどく81%減だった。

原因に需給両面の変換がある。需要では単純に渡航制限で長距離路線利用客が減っただけだ。利用客もできるなら直行便を選択する傾向があるとレポートは指摘。供給面では運行削減で「多くのエアラインで接続便の提供が不可能となった」とある。

マッキンゼーはフランクフルト国際空港の例をあげている。2019年8月の到着便は1-4時間以内に35本に乗り継ぎが可能だったが、一年経過しこれが11本に減った。

接続便運行モデルには長期的な課題が残る。利用客が直行便を希望するのは自然なことでノンストップ便と乗り継ぎ便の料金差はCOVID-19後に消滅するとマッキンゼーは指摘する。

ハブ空港の大きな課題は今後登場する新型機だ。ボーイング787、エアバス350に加え長距離ナローボディのA321LRが直行便を増やす。この傾向をパンデミックが後押しし、旧型特に大型機が予定より早く運行停止となる。

今後登場する長距離高効率機材がハブ空港にプラス効果をもたらすとする。ボーイング787の2019年実績ではハブ間路線が40%だったが49%がハブ・非ハブ空港路線だった。11%はハブを通らない路線だった。

「大型小型のワイドボディ機の投入で違いがあるが、大多数は今もハブを経由している」とある。

マッキンゼーのいわんとすることは国内需要が大きい国のハブ空港は「短期的には苦労する」が運行を適合させなないと「厳しい時期を生き残れなくなることが真のリスク」という点だ。

「短期的には各ハブ空港にプレッシャーとなり、長期的にはごくわずかのハブ空港のみにプレッシャーとなる」乗り継ぎハブモデルは今後も有効だとレポートはまとめている。「経済効果がありエアライン側には効率の良く、利用客に魅力的な料金を実現するモデルが大方として有効なまま残る」とする。ハブ空港は予想される意外に早い観光需要の回復に助けられるという。■


2020年12月24日木曜日

クリスマスイブ記事 今年もNORAD北米防空司令部がサンタさんを追跡。でもこの伝統はいつ、どう始まったのでしょうか。

 


During last year's Christmas Eve, Canadian Brig. Gen. Guy Hamel of NORAD joins other volunteers taking phone calls from children around the world. (AP Photo/Brennan Linsley)

昨年のクリスマスイブの風景。カナダ軍のガイ・ハメル准将もボランティアとして世界各地の子どもたちからの電話対応にあたった。(AP Photo/Brennan Linsley)



米が恒例の北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)によるサンタさん追跡が気になる時期が来た。NORADは実際にサンタの飛行経路をオンラインで公開しており、アプリでも昔ながらの電話でもその時点でサンタがどこを移動中か教えてくれる。


だがこれはNORADの超天才がはじめたわけではない。新聞記事の誤植が原因だった。

ボランティアの空軍曹長ロデリック・シュワルドがコロラド州ピーターソン基地内のNORADサンタ追跡オペレーションセンターで各地からの電話問い合わせに対応している。Dec. 24, 2013. (Photo: Master Sgt. Charles Marsh)

 

だがNORADはなぜサンタを追跡するのか。


1955年12月24日、当時の米大陸防空例支部作戦センターのあるコロラドは通常通勤務体制だったが、当直のハリー・シャウプ大佐におかしな電話が入ってきた。


「電話をかけてきたのはコロラドスプリングの幼児で地元デパートの広告に番号があったのです。幼児はサンタクロースの居場所を聞いてきたんです」(NORAD広報官プレストン・シュラクター)

新聞広告ではこの番号でサンタさんにお話できるよとあったが、番号が間違っており、防空司令部にかかってしまうのだった。


シャウプは最初の通話に対応した。意地悪な対応もできたのだが、実際は違っていた。


「大佐はご両親にかわってもらい幼児には大陸防空司令部はサンタの安全を守っていると伝えたのです」(NORAD広報官プレストン・シュラクター)


その晩シャウプは部下と一緒にサンタの居場所を幼児一人ひとりに答えた。こうして伝統がはじまったのであり、1958年NORADに改組されても維持された。その後のテクノロジーの進歩でさらに人気を博すようになっている。今日の幼児は電子メール、スカイプ、ツイッター、フェイスブックやアプリ更にオンスターでサンタの行方を把握している。


サンタ追跡は大掛かりな事業で毎年11月にNORADSanta.orgが各家庭からの問い合わせに対応を開始してスタートする。政府、非政府あわせ70もの団体が寄付しサイト、アプリ、電話回線を準備する。制服組、国防総省文民、家族ボランティアが1,500人もクリスマスイブに子どもたちのサンタはどことの問いに答える。


シュラクターによれば200もの国と地域からウェブサイトへの訪問があり、ページビューは18百万、フェイスブックの特設ページには175万人のフォロワーがあるという。NORADサンタ追跡プログラムには126千もの通話が入り、電子メール2,030通に対応し、オンスターでも7,477もリクエストがあったという。


シュラクターはたまたま誤植だったとはいえ、いまや重要な伝統の一部となっており、各家庭の楽しい場面づくりに役立てて嬉しいと語る。


コールセンターは12月24日東部標準時の午前6時にオープンする。小児は 1-877-Hi-NORAD(446-6723) へ電話、あるいはnoradtrackssanta@outlook.comに電子メールを送ればその時点でサンタがどこにいるか教えてもらえる。ただし、関係者はサンタは子どもたちが寝ている時間にならないとあらわれないので当日は早くベッドに入らいないとお家にやってこないよと注意喚起している。


サンタクロースの居場所追跡を楽しんでください。トナカイには人参を、さんさんにはミルクとクッキーを忘れないで。■


この記事は以下を再構成したものです。


Does NORAD Really Track Santa?

Department Of Defense | By Katie Lange


2020年12月23日水曜日

日本航空とカンタスが共同事業立ち上げへ。2021年7月の発足をめざし、当局へ申請中。オーストラリア、ニュージーランドへの移動がもっと楽になる。

Qantas, JAL propose five-year joint venture to reboot tourism travel

By Greg Waldron23 December 2020

https://www.flightglobal.com/strategy/qantas-jal-propose-five-year-joint-venture-to-reboot-tourism-travel/141732.article


ンタス日本航空とオーストラリア、ニュージーランド、日本を結ぶ路線で共同事業を立ち上げる。


両社はワンワールドアライアンスに加盟しており、「2021年7月」に共同事業を立ち上げたいとする。


Qantas A330

Source: Qantas

コロナウィルスの流行でカンタスが運行中のワイドボディはA330のみとなっている。


共同発表で両社は国際旅客輸送が再開した直後の旅行需要の回復を支援するのが狙いとし、共同事業で日本と南半球を結ぶ便を強化する。


共同事業は5カ年の有効で両社はオーストラリア、ニュージーランド規制当局に申請ずみで、「6ヶ月以内」で回答を期待している。


共同事業でコードシェア便が増え、以遠地への接続も増える。さらに利用の多い顧客が恩恵を受ける。一番大事なのは両社で航空運賃、運行計画を調節できることだ。


「日本からオーストラリアへ2019年は50万人が訪れています。旅行需要が回復すれば、日本人旅行客の利便性を高めたい」とカンタスCEOアラン・ジョーンズが述べている。


JAL 787-8 no2

Source: Japan Airlines

A Japan Airlines 787-8.


「共同事業でJALとの関係を更に強め、路線を増やし、乗り継ぎを便利にし利用頻度の高いお客様にはさらにメリットが増えます。また日本はオーストラリアの主要な貿易相手国ですので両社はさらにサービスの幅を広げられます」


JALの赤坂祐二社長は両社で日本とオーストラリアを結ぶ路線を半世紀以上運行している実績を強調している。

「カンタスとの共同事業でそれぞれの国内線への乗り継ぎをもっと便利にして選択の幅をひろめることで旅行需要を掘り起こし回復のペースを加速化したい」。■

 

お知らせ

 2022年以降こちらでは新しい投稿はしておりません。引越し先は 「航空宇宙ビジネス短信T1(新)」です。 こちらへお越しください。 https://aviationspacebusiness-civilaviation.blogspot.com/ お待ちしております。