2019年11月14日木曜日

JALがハワイアンとの共同事業拡大を模索


   
Hawaiian-JAL JV expands scope to include Russia and India


13 NOVEMBER, 2019
 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
 BY: PILAR WOLFSTELLER
https://www.flightglobal.com/news/articles/hawaiian-jal-jv-expands-scope-to-include-russia-and-462212/

ハワイアンエアラインズと日本航空は共同事業の運行範囲をアジア太平洋まで広げ、将来的にはインド、ロシアまで対象とする。両社は一般の裨益効果を高まるので米独禁法適法除外(ATI)の正当化につながると主張。
   米運輸省(DOT)が11月13日公開した両社による共同事業の改正案では日本ハワイ間に限られていた路線を全アジアとハワイの直行便、東京グアム線、更に南太平洋を結ぶハワイアンの既存路線に接続し、さらに将来的にはハワイアンが南太平洋に路線を拡大するとある。
   「共同事業の構造を見直し、両社はインド、ロシアの2カ国を追加する」と文書にある。
   JALはデリーに路線を運行中で、バンガロール、ウラジオストックに2020年第1四半期から就航する。両社はこうした路線からハワイへ旅行者が増えると見ている。
   「日本国内のその他地点との接続便需要ほどの規模はすぐに想定できないが、旅行需要が増えれば共同事業による社会への裨益につながる」と文書は述べている。
   10月3日、DOTから両社の共同事業を暫定的に認める見解がでたものの、ATI発効の直前で止まっている。両社によれば、これがないと事業は成功がおぼつかない。DOTの懸念事項への回答期限は11月12日だった。
DOTの指摘は目に見える形の裨益効果があるのか、地理上の事業範囲ならびにIT技術の運用についてであった。13日に両社が回答した77ページに及ぶ文書ではこうした点を網羅し個別具体的な情報と日程が示されている。
   また両社からはITシステムを高度化し、「両社協議による運賃水準」およびシームレスな旅客対応をめざすとある。両社はそれぞれのシステムと設備は機能を向上して旅客に「一体型の高付加価値サービス」を提供するとある。
この五週間にわたり、両社は財務と今後の運用計画を再検討し、IT関連で機能向上すればさらに大きなメリットが利用客側に生まれるとわかった。例として 同期型チケット発行、荷物預かり、両社協調してのオンライン販売や営業活動、さらに両社利用の乗客向けにシームレスな対応があると文書にある。
   ハワイアンとJALはコードシェアを2018年から実施中だが、意味のある需要対応にATIは不可欠と主張する。
   「両社によるコードシェアは当初こそ盛況だったが、2019年に入ると急降下し、内部資料によればATIがないままだと両社のコードシェア関係は大きな損失を受けることになる」(両社発表文書)
   ここに来てハワイアンは日本路線新設を相次いで発表しており、このうちホノルル-福岡線が今月末に開始される。またホノルルと東京羽田国際空港路線での追加スロットも確保し、2020年3月より就航を開始する。今回開設するのは昼便で既存の羽田とホノルルおよびコナを結ぶ夜便を補完する。
   以前にもハワイアンエアラインズ幹部からDOTが「ハワイアンの様な弱小米キャリアに対し同等の条件で競争することを妨げている」との懸念が表明されており、大手エアラインアライアンスには独禁法の適用除外が簡単に下りているとの苦言が出ている。ハワイアンは独自の路線網でハワイ諸島から北米、アジア、オセアニアを結んでおり、同様の優遇措置をうけるのに不利となっているという。
   ハワイアンはアジア路線にA330-200を投入している。2021年初頭にはボーイング787-9の第一陣10機受領を控えている。■

2019年11月10日日曜日

737MAX運行再開を2020年3月と発表したアメリカン、サウスウェスト両社だが.....

ボーイングの売上の主力たる737で期待されていたMAXが飛行停止となり、飛行再開の目処がたたない中で、業を煮やしたのかアメリカン、サウスウェストともに2020年3月を飛行再開の日程を発表しました。はたしてこのまま軟着陸できるのでしょうか。また、ボーイングの業績にどんな影響が出るでしょうか。


American pushes 737 Max service re-entry to March


08 NOVEMBER, 2019

 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM

 BY: PILAR WOLFSTELLER

 SAN FRANCISCO

https://www.flightglobal.com/news/articles/american-pushes-737-max-service-re-entry-to-march-462111/


アメリカンエアラインズは同社保有ボーイング737MAXの定期運行を2020年3月5日より再開すると決めた。サウスウェストエアラインズも来年3月まで飛行停止措置を解除しないと同日早くに発表している。

アメリカンエアラインズ(本社ダラス)は1月の運行再開と以前発表していた。だが3月4日まで一日あたり「約140便」の欠航が続くという。

3月という新日程は2機のMAX墜落事故を受け同型機の運行停止が各国で始まってほぼ一年になるタイミングだ。ライオン・エア610便(2018年10月29日)、エチオピアエアラインズ302便(2019年3月10日)の両事故で機体制御特性強化システム(MCAS)との関連が疑われている。

「当社は連邦航空局、運輸省、ボーイングと連絡を密に続けています」と同社は11月8日にウェブサイトで声明を発表。「最新の指導内容に基づき、当社のボーイング737MAXの定期運行再開を2020年3月5日と想定しました。認証が下り次第、当社専門家及び招待客のみ搭乗した検証フライトを3月5日以前に実施いたします」

また同社は飛行再開後も、定期運行復帰は急がないともしている。「一ヶ月かけMAX投入を順次行い、必要な運行調整を行います」

ボーイングはMAXの改修認証は年末までに当局から下りるとの見通しを10月に述べていた。ただしFAAは一貫して日程に関する見解の発表を拒んでおり、同型機の運行再開の見通しは不明なままだ。今回のアメリカン発表についてもFAAはコメントを拒み、従来の姿勢から変化はないとしている。

「FAAはボーイング737MAXの旅客運行再開を徹底的に検討中」とFAA広報官リン・ランスフォードが発表している。「各国の航空安全当局と連携しつつ改修提案内容を検討中である。最優先事項は安全であり、作業終了の日程は未定のままです」

アメリカンはMAX24機を地上待機させており、さらに76機を発注中。■


ボーイングの売上の主力たる737で期待されていたMAXが飛行停止となり、飛行再開の目処がたたない中で、業を煮やしたのかアメリカン、サウスウェストともに2020年3月を飛行再開の日程を発表しました。はたしてこのまま軟着陸できるのでしょうか。また、ボーイングの業績にどんな影響が出るでしょうか。

American pushes 737 Max service re-entry to March

08 NOVEMBER, 2019
 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
 BY: PILAR WOLFSTELLER
 SAN FRANCISCO
https://www.flightglobal.com/news/articles/american-pushes-737-max-service-re-entry-to-march-462111/

アメリカンエアラインズは同社保有ボーイング737MAXの定期運行を2020年3月5日より再開すると決めた。サウスウェストエアラインズも来年3月まで飛行停止措置を解除しないと同日早くに発表している。
アメリカンエアラインズ(本社ダラス)は1月の運行再開と以前発表していた。だが3月4日まで一日あたり「約140便」の欠航が続くという。
3月という新日程は2機のMAX墜落事故を受け同型機の運行停止が各国で始まってほぼ一年になるタイミングだ。ライオン・エア610便(2018年10月29日)、エチオピアエアラインズ302便(2019年3月10日)の両事故で機体制御特性強化システム(MCAS)との関連が疑われている。
「当社は連邦航空局、運輸省、ボーイングと連絡を密に続けています」と同社は11月8日にウェブサイトで声明を発表。「最新の指導内容に基づき、当社のボーイング737MAXの定期運行再開を2020年3月5日と想定しました。認証が下り次第、当社専門家及び招待客のみ搭乗した検証フライトを3月5日以前に実施いたします」
また同社は飛行再開後も、定期運行復帰は急がないともしている。「一ヶ月かけMAX投入を順次行い、必要な運行調整を行います」
ボーイングはMAXの改修認証は年末までに当局から下りるとの見通しを10月に述べていた。ただしFAAは一貫して日程に関する見解の発表を拒んでおり、同型機の運行再開の見通しは不明なままだ。今回のアメリカン発表についてもFAAはコメントを拒み、従来の姿勢から変化はないとしている。
「FAAはボーイング737MAXの旅客運行再開を徹底的に検討中」とFAA広報官リン・ランスフォードが発表している。「各国の航空安全当局と連携しつつ改修提案内容を検討中である。最優先事項は安全であり、作業終了の日程は未定のままです」
アメリカンはMAX24機を地上待機させており、さらに76機を発注中。■
ボーイングの売上の主力たる737で期待されていたMAXが飛行停止となり、飛行再開の目処がたたない中で、業を煮やしたのかアメリカン、サウスウェストともに2020年3月を飛行再開の日程を発表しました。はたしてこのまま軟着陸できるのでしょうか。また、ボーイングの業績にどんな影響が出るでしょうか。

American pushes 737 Max service re-entry to March

08 NOVEMBER, 2019
 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
 BY: PILAR WOLFSTELLER
 SAN FRANCISCO
https://www.flightglobal.com/news/articles/american-pushes-737-max-service-re-entry-to-march-462111/

アメリカンエアラインズは同社保有ボーイング737MAXの定期運行を2020年3月5日より再開すると決めた。サウスウェストエアラインズも来年3月まで飛行停止措置を解除しないと同日早くに発表している。
アメリカンエアラインズ(本社ダラス)は1月の運行再開と以前発表していた。だが3月4日まで一日あたり「約140便」の欠航が続くという。
3月という新日程は2機のMAX墜落事故を受け同型機の運行停止が各国で始まってほぼ一年になるタイミングだ。ライオン・エア610便(2018年10月29日)、エチオピアエアラインズ302便(2019年3月10日)の両事故で機体制御特性強化システム(MCAS)との関連が疑われている。
「当社は連邦航空局、運輸省、ボーイングと連絡を密に続けています」と同社は11月8日にウェブサイトで声明を発表。「最新の指導内容に基づき、当社のボーイング737MAXの定期運行再開を2020年3月5日と想定しました。認証が下り次第、当社専門家及び招待客のみ搭乗した検証フライトを3月5日以前に実施いたします」
また同社は飛行再開後も、定期運行復帰は急がないともしている。「一ヶ月かけMAX投入を順次行い、必要な運行調整を行います」
ボーイングはMAXの改修認証は年末までに当局から下りるとの見通しを

ボーイングの売上の主力たる737で期待されていたMAXが飛行停止となり、飛行再開の目処がたたない中で、業を煮やしたのかアメリカン、サウスウェストともに2020年3月を飛行再開の日程を発表しました。はたしてこのまま軟着陸できるのでしょうか。また、ボーイングの業績にどんな影響が出るでしょうか。

American pushes 737 Max service re-entry to March

08 NOVEMBER, 2019
 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
 BY: PILAR WOLFSTELLER
 SAN FRANCISCO
https://www.flightglobal.com/news/articles/american-pushes-737-max-service-re-entry-to-march-462111/


メリカンエアラインズは同社保有ボーイング737MAXの定期運行を2020年3月5日より再開すると決めた。サウスウェストエアラインズも飛行停止措置は来年3月まで解除しないと同日発表している。
 アメリカンエアラインズ(本社ダラス)は1月の運行再開と以前発表していた。だが3月4日まで一日あたり「約140便」の欠航が続くという。
3月という新日程は2機のMAX墜落事故を受け同型機の運行停止が各国で始まってほぼ一年になるタイミングだ。ライオン・エア610便(2018年10月29日)、エチオピアエアラインズ302便(2019年3月10日)の両事故で機体制御特性強化システム(MCAS)との関連が疑われている。
 「当社は連邦航空局、運輸省、ボーイングと連絡を密に続けています」と同社は11月8日にウェブサイトで声明を発表。「最新の指導内容に基づき、当社のボーイング737MAXの定期運行再開を2020年3月5日と想定しました。認証が下り次第、当社専門家及び招待客のみ搭乗した検証フライトを3月5日以前に実施いたします」
 また同社は飛行再開後も、定期運行復帰は急がないともしている。「一ヶ月かけMAX投入を順次行い、必要な運行調整を行います」
 ボーイングはMAXの改修認証は年末までに当局から下りるとの見通しを10月に述べていた。ただしFAAは一貫して日程に関する見解の発表を拒んでおり、同型機の運行再開の見通しは不明なままだ。今回のアメリカン発表についてもFAAはコメントを拒み、従来の姿勢から変化はないとしている。
 「FAAはボーイング737MAXの旅客運行再開を徹底的に検討中」とFAA広報官リン・ランスフォードが発表している。「各国の航空安全当局と連携しつつ改修提案内容を検討中である。最優先事項は安全であり、作業終了の日程は未定のままです」
 アメリカンはMAX24機を地上待機させており、76機を発注中。■


2019年11月2日土曜日

北京の新空港は中国が目指す航空市場拡大のカギを握るが、成長はこのまま持続できるのだろうか。

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Photographer: BJNews/ICHPL Imaginechina via AP Photo

Beijing’s Giant New Airport Helps China Rival U.S. in the Skies

By Kyunghee Park and Yan Zhang
2019年9月25日 18:24 JST Updated on 2019年9月26日 6:08 JST


興 Daxingはわずか五年前まで北京南方の農村地帯で注目を集めることがない地点に過ぎなかった。今や状況は一変した。巨大空港が同地に生まれ、中国は世界最大の航空市場の座を米国から奪おうとしている。
総工費800億元(112億米ドル)で完成した北京大興国際空港ではヒトデ型ターミナルビルが特徴で、中国建国70周年に間に合うよう開港したばかりだ。年間一億人の旅行客を処理可能で、習近平主席にとっても大きな意味がある。
Fifth Comprehensive Drill At Beijing Daxing International Airport
Photographer: Chen Xiao/VCG via Getty Images
習近平は航空分野を戦略的産業の中心と捉えている。今後二十年以内に中国の航空旅行需要は16億名規模に膨れ上がるとIATAは見ており、現時点の同国人口を上回る。中国の目標は2035年までに民生用空港を合計450箇所供用することで、2018年末のほぼ二倍の規模だ。また同国はボーイングやエアバスに対抗すべく国産ジェット旅客機も開発している。
新空港は北京の航空需要に対応しつつ、現行の空港の混雑を緩和する効果も期待される。北京首都国際空港に2008年オリンピックに間に合う形で新ターミナルが生まれたが、すでに容量不足になっており、これが原因で2013年から2018年にかけての航空利用客の成長が平均4%増にとどまっている。
増え続ける需要に答えるため中国には巨額投資で迅速に対応するしか選択肢がなく、実際に中国の航空旅行需要な年率6%で成長している。マッキンゼーによれば大興空港は当初滑走路4本で開港し、ゆくゆくは7本(うち一本は軍用専用)に増えれば直行便の新規路線が増えると予測している。北京はロンドン、ニューヨークや東京と二箇所の空港でつながる。
relates to Beijing’s Giant New Airport Helps China Rival U.S. in the Skies
Photographer: BJNews/ICHPL Imaginechina via AP Photo
relates to Beijing’s Giant New Airport Helps China Rival U.S. in the Skies
Photographer: Chen Xiao/VCG via Getty Images
「これから北京から新規路線が次々に生まれるはずだ。大規模ハブ空港がある強みですね」とマッキンゼーのスティーブ・サクソンが述べている。
大興空港により国際線で一路線一社体制で北京起点の長距離路線は中国国際航空が一手に担当してきた事情が変わる。新空港は「ビッグスリー」の残る二社中国東方航空、中国南方航空にも長距離路線の開設につながるはずだ。
目指すのは北京を国際航空輸送のハブで、国内中間層が拡大し、海外旅行熱の高まりに対応する。大興の開港により北京は天津、河北との統合を進め、シンガポールや香港といったこれまでの中継地点より強みを発揮でき、新興勢力のバンコク、ソウル、クアラルンプールは追随できなくなる。
ただし、接続便の利便性で未だに中国は他のアジア各地に遅れをとっているとOAGエイビエーション・ワールドワイドが指摘している。シンガポール、香港が域内で国際乗り継ぎ便が最多となっている。上海浦東国際空港が中国で唯一ランク入りしているがそれでも8位だ。
IATA予測では2019年の旅客総数は46億人だが2037年には82億人と倍増に近くなる。航空旅行がインドやインドネシアの新興利用客に人気となるのがその理由だ。大興はアジア各地で進行中の空港プロジェクトの一つに過ぎない。合計1千億ドルが投じられており、増え続ける需要をドレだけ確保できるかの競争だ。上海浦東国際空港でも新ターミナルが9月にオープンしている。
従来の一路線一社方針を中国が大興で緩和すれば、中国のその他エアラインが一斉に国際路線開設を申請することになろう。
大興では大量の鋼鉄、ガラスの他に池や木造建築物、石橋を備えた中国様式庭園で旅行客は一息入れることができる。新空港では顔認識を活用しペーパーレスでのチェックインが実現している。
relates to Beijing’s Giant New Airport Helps China Rival U.S. in the Skies
Photographer: Weng Qiyu/ICHPL Imaginechina via AP Photo
中国民航当局は新空港利用の利用促進策をエアライン側に提示している。国際線運用を同空港で行う予定なら受付優先度が高くなる。海外エアラインも北京の二箇所の空港で選択は可能だが、大興に移動すれば新規路線開設が有利になったり有利なスロットが多く手に入る。

大興空港では2025年までに利用客の5人に1人は乗り継ぎとなると見ている。各国のフラッグキャリヤーのうち、英国航空は北京ヒースロー便を10月27日より新空港利用に切り替えると発表しており、中国東方、中国南方の各社とのコードシェアリング効果を最大限にするという。中国東方航空は北京上海線は首都国際空港から引続き新空港から運用する。■

2019年10月13日日曜日

ボーイングが767-X開発を構想中、NMA安価版になればいよいよ737後継機の開発が始まるのか

Boeing examines GEnx-powered 767-X for cargo and passenger roles


10 OCTOBER, 2019
 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
https://www.flightglobal.com/news/articles/boeing-examines-genx-powered-767-x-for-cargo-and-pa-461386/

Asset Image
767の新規製造はUPS、FedEx向け貨物型で今も続いている。
UPS Airlines


ボーイングがエンジン換装型767を検討している。主に貨物輸送需要を想定し、2020年代中頃の路線就航を期待する。

検討では旅客機型も含まれており、同社が提案中の新型中間市場機(NMA)の安価版になる可能性もある。

FlighGlobalは検討内容を入手し、767-XFの名称で767-400ERを原型としGEエイビエーションのGEnxエンジンを搭載するとある。大口径ファンエンジン搭載のため降着装置が拡大され地上高を稼ぐ。

検討は貨物機需要への対応が中心だ。ボーイングは767-300貨物機をFedEXUPS両社向けに新規生産中で、確定発注残も60機ある。767-XFは-300Fの前方貨物扉を流用する。

エンジン換装と降着装置を除けば、767-XF検討で想定する変更点はわずかで従来の設計を使えるとする。想定する路線就航は2025年頃になっている。

事情に詳しい筋からボーイングは旅客型767-X開発も想定し、実現すれば安価かつ低リスクのNMA機材になるという。NMAでは完全新型機で次世代エンジンを搭載するとされてきた。

ボーイングから767発展型についてコメントはないが、「絶えず市場動向を研究しており、顧客に一番役立つ策を模索している」とのみ伝えてきた。また同社からは昨年の貨物機受注(新規及び改装機含む)は124機で新記録となったと発言があり、うちわけは767が新規製造機材と改装機合わせ32機で「767Fの需要が底堅いことがわかる」としている。

ボーイングは「中間市場」需要への対応およびエアバスのA321LRとA330neo派生型による攻勢への対応策を検討中。767-X派生型がNMA機材になれば同社は財務・技術面の資源を「次世代小型機」開発に振り向けることが可能となる。そうなれば737 Maxの後継機となる完全新型単通路機の開発が早まりそうだ。

767はユナイテッドエアラインズで初の路線就航を1982年にし、これまで1,165機が納入されている。現時点でも受注残が105機あり、767-300Fの60機、767-2C給油機(米国および日本向け)が45機となっている。■

2019年10月3日木曜日

737MAXの運行再開に向け着々と準備を進めるボーイング、路線再投入は2020年か

Aviation Daily

U.S. Carriers Test New MAX Software; Prep For Service Return

Sep 30, 2019Sean Broderick | Aviation Daily

Southwest Airlines
PLANO, Texas—ボーイング737 MAXの新型飛行制御ソフトウェアを体験した米パイロット陣は一様に好意的な反応を示しており、エアラインの一部には徐々にMAXを路線復帰させる予定を立てる会社があることから、今年末までにFAA承認を取得するとのボーイング構想が実現に向かいつつある。
アメリカンエアラインズおよびサウスウェストエアラインズはじめ十数社のパイロットがMAXの完全フライトシミュレーターセッションをマイアミで体験した。「初めてMAXの完全作動、フライトシミュレータにふれることができた」とサウスウェストの機長の一人グレッグ・ボーウェンが語る。この人はサウスウェストのパイロット組合(SWAPA)で訓練と規格標準作成の座長を務める。
SWAPAの国際パイロット組合会議でボーウェンは各パイロットは改良前と開業後のMAX機体制御特性強化システム(MCAS)による操縦性ソフトウェアとともにトリムの手動調整含む飛行制御関係のコンピュータ改良に触れたという。
ボーウェンによれば改良型MCASの作動は想定通りで、自動水平安定版による機首下げインプットが高迎え角AOAでの安定性を補強し、改良前より「ずっとよい」作動を示したという。これは事故調査を反映したボーイングが相当の改良を加えたためであり、そのもとがAOAデータインプットが本来必要でないのに作動となり事故原因となった急降下につながったことだ。「この危険は今や払拭された」とボーウェンは述べた。
ボーイングが開いたセッションには各社パイロットがペアとして参加した。うち、アメリカンからはMAX操縦経験のないパイロットもいたとアメリカンの機長ジョン・デルーが語る。アメリカンで飛行安全を管理する上級管理職でもある。「本人は訓練に満足していたと思いますよ」
ボーイングは今回のセッションで各社パイロットはボーイングが準備した内容すべてを検分したわけではないと強調している。FAAはボーイングとまだ作業中の内容があり、変更を必要とする非通常状態の条件6通りがまだ残っており、MAXの特性以外にパイロットとして対応が必要となる状況も対象とボーウェンは述べた。
FAAが訓練の基本を設定するがエアライン各社がカスタマイズするはずだ。デルーはアメリカンの最終訓練パッケージには2時間分の「技術」訓練以外に「社会的側面」としてMAXの安全性への乗客の懸念にどう答えるべきかも学ぶという。
サウスウェストのパイロットはMAX機種転換訓練の内容を再検討しているとボーウェンは語る。内容はサウスウェストが最終版として想定したものだがFAAが定める訓練内容が判明すれば改定するという。「MAX操縦に戻る際にはちょうどよい訓練機会にないるでしょう」
同社の機材運行再開計画ではボーイングから未引き渡しのままだった40機の受領が中心となっている。その後、運行停止となっていた34機の運行再開にむけ機体の再整備を行う。ボーイングは3月中旬の飛行停止の段階で385機を引き渡ししていたが、以後引き渡しを中止していた。MAXの墜落事故は2018年10月29日のライオン・エア610便のあと、今年3月10日にエチオピアエアラインズ302便でも発生していた。
アメリカンは保存中のMAX2機をニューメキシコ州ロズウェルからオクラホマ州タルサの整備拠点に移動させ機体状況を点検するとデルーが述べている。
「これで全体の状況が見えるようになります」といい、MAXを早く復帰させることが鍵という。「確実に進めたい」
ボーイングはMAX改良とともに訓練内容の改定の最終段階にある。次のステップは最終内容のFAA提出で、FAAの審査は最低でも一ヶ月かかる。だがFAAが承認すれば、耐空証明(AD)が発行される。ただし、FAAから予定はいっさい発表がない。

ボーウェンからはサウスウェストはAD発行後最短でも30日たたないと1号機の復帰がまにあわないという。同社の目論見ではMAX各機に平均200人時間かけないと保管状態から路線投入ができないという。そのうち新版ソフトウェアのインストールはわずか2時間程度とのこと。■

2019年9月28日土曜日

エアバス:旅客機一名パイロット体制運用に向け、まず貨物機でパイロット一名運用を実現させたい

Airbus: Single-pilot freighters a step to airliner operations



27 SEPTEMBER, 2019
 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
 BY: MAX KINGSLEY-JONES
 BERLIN

アバスの描く自律運行エアライナー開発のロードマップに貨物機の一人運行があり、旅客機に先立ちこれが実現するとある。
9月25日ベルリンで開かれたカンファレンスでエアバスの研究技術主任ダニエラ・ローワッサーから同社の考える自律運行型旅客機の導入構想が発表さ


Airbus: Single-pilot freighters a step to airliner operations

27 SEPTEMBER, 2019
 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
 BY: MAX KINGSLEY-JONES
 BERLIN

https://www.flightglobal.com/news/articles/airbus-single-pilot-freighters-a-step-to-airliner-o-461135/ アバスの描く自律運行機開発のロードマップに貨物機の一人運行があり、旅客機に先立ちこれが実現するとある。
9月25日ベルリンで開かれたカンファレンスでエアバスの研究技術主任ダニエラ・ローワッサーから同社の考える自律運行型旅客機の導入構想が発表され、パイロット一名体制での運用を実現する技術に取り組んでいることを明らかにした。
「パイロット不足は現時点でさえ発生しており、今後も解決されないでしょう」(ローワッサー)
「グリーン飛行体制になると機体製造と運用経費が今より高くなります。燃料価格の上昇もその理由です。そのため運行経費をどうやったら引き下げられるかを真剣に考えると、パイロット一名による運行が答えの一つになります」
ローワッサーによれば究極の目標は完全自律運用機の実現でパイロットが不要な機体にすることだ。「パイロットが一名になっても安全が二重体制であることに変わりありません。パイロットが一名でも今の機体より安全にすることが夢です」
そこでエアバスは一人運行をまず貨物機で実現してから旅客機に移りたいとする。「旅客機の一人運行体制実現への第一歩という位置づけです」■

2019年9月14日土曜日

日本航空: 米運輸省から罰金30万ドル支払いを命じられる、乗客をエプロン上の機内に閉じ込めたため




US DOT fines JAL $300,000 for excessive tarmac delay


13 SEPTEMBER, 2019
 SOURCE: FLIGHTGLOBAL.COM
 SAN FRANCISCO
https://www.flightglobal.com/news/articles/us-dot-fines-jal-300000-for-excessive-tarmac-delay-460871/

米運輸省(DOT)は日本航空に反則金300千ドルを課した。乗客を機内に4時間も乗せたまま機体から降ろさなかった事案が同社で二件発生したため。
9月12日付の同意命令書ではJALが反則金支払いに応じ訴訟は見送るとあるものの、同社はDOTが算定した乗客一人あたりで算出した空港内乗客足止め時間は過大になっているとして同意していない。
案件はともに成田国際空港からジョン・F・ケネディ国際空港行きの004便で2018年1月と5月に発生してた。それぞれシカゴのオヘア空港とワシントンのダレス空港に行き先変更していた。
この内1月4日のJL004便はシカゴへの行き先変更まで4時間31分にわたりエプロン上に待機した。当時のJFKは冬の嵐で24時間近く閉鎖されていた。
DOTは日本航空が004便乗客に対し規定の4時間までに降機させなかったことを規定違反と裁定した。
2018年5月15日にはニューヨーク地区が雷雨に襲われJL004便がワシントン・ダレス空港に給油のため着陸を迫られ、乗務員の勤務規定時間に達した。乗客は4時間59分経過して降機した。
今回の裁定に対して日本航空の文書では「貴省のエプロン遅延ルールを遵守すべき義務を深刻に受け止め、乗客の安全、安心、快適を守る責務も同様に深く受け止める」とあり、さらに遅延事案はそれぞれ同社の管理外のことであり、それぞれ天候が原因での空港の混雑によるものとしている。
日本航空はさらに業務管理社内通達を出し、エプロン上の遅延を生む大きな原因について説明するとともに、空港運営の混乱等のJAL管理外の要因では降機の決定を4時間という制限以前に行うよう強調したと付け加えている。■

お知らせ

 2022年以降こちらでは新しい投稿はしておりません。引越し先は 「航空宇宙ビジネス短信T1(新)」です。 こちらへお越しください。 https://aviationspacebusiness-civilaviation.blogspot.com/ お待ちしております。