2021年9月19日日曜日

主張 国際航空旅行の制限を見直す時が来た。

 


 

 

airport testing center sign

Credit: Daneil Leal-Olivas/AFP/Getty Images

 

年コロナウィルス大量感染が爆発的に発生し、各国政府は直ちに国境を封鎖した。中国発のウィルスの世界規模の拡散を止めるねらいがあった。ウィルスを止めるのが不可能と判明すると、時間を稼ぎワクチン接種を待つ作戦だった。

18カ月が経過した今、航空業界は政府による制約を受けたままで、意味のない施策も見受けられる。例としてEUからの旅客入国を禁じる米国方針を見てみよう。欧州では米国発の利用客に入国を再開しているが、米国は欧州からの旅行客の入国を依然認めていない。ヨーロッパでのワクチン接種率がなかなか増えない間は意味があったが、今やヨーロッパの接種率が米国を上回り一カ月以上となり、ヨーロッパのCOVID-19感染率ははるかに低い。

もうひとつある。ヨーロッパ委員会は米国内の感染状況が高いことを受け、「不急不要の」米国渡航者の制限強化を提言している。オランダは米国人の渡航を「非常に高いリスク」とし、米疾病管理センターは米国民にイタリア渡航はコロナウィルスのため再検討するよう推奨している。

こうした中で不満がたまるが、ICAOが提唱する公衆衛生回廊構想ではリスク低減策を大幅に増やすとある。旅行客にワクチン接種を義務化し、COVID-19テスト結果で陰性証明を求め、マスク着用は機内、空港内で続ければリスクは大幅に減る。同構想は急に出てきたわけではない。これまでも入国時に黄熱病などでワクチン接種証明を求める国があった。

COVID-19ワクチンの登場前にも学術研究によりウィルスが航空旅行を介して広がる可能性は低いとされてきた。旅行者に厳しい制限が課されているためだ。感染が発生するのは家族友人同僚とマスクやソーシャルディスタンスなしで面会する場合だ。

COVID-19の地球上での撲滅が可能としても、数年かかるだろう。エアライン業界の立場を支持する。政府はリスクを皆無にするのではなく最小限に管理すべきという視点だ。ワクチン接種により深刻な症状悪化には歯止めが生まれ、レストランでの外食やコンサート鑑賞など基本的な自由を再び享受できるようになった。次は移動の自由で、この回復だけ例外扱いにはできないはずだ。■

Editorial: It Is Time To Revisit Travel Bans

September 10, 2021

Editorial: It Is Time To Revisit Travel Bans


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