ボーイングが2030年までの航空サービス関連業界見通しを発表した。それによると収益規模は3.2兆ドルで、うち民間部門は1.7兆ドルで53%を占める。
支出ではMROが軍民双方で主流となり、2.2兆ドルで全体の70%を占める。そのうち民生部門が半分をわずかに上回ると予測する。
民生MRO部門は2020年のCOVID-19関連の需要急落を経て回復基調にある。ボーイングはMROについて「COVID-19前の水準回復に二三年かかる」とみている。
機材退役が急増するとみられ部品や再利用可能な部材の取引が増えそうだ。ボーイングは2030年までの旅客機引き渡しを18,850機と予測しており、一方で供用を終える機材10,200機の一部は貨物機に改装されるが大部分は廃棄されると見ている。
「2020年に世界各地で運航中止機材が急増したが、旧型機で効率が劣る機材が多数になったため、資産運用効率や業務面では好影響が生まれたとみるアナリストが多い」と指摘し、昨今の不況を経て、エアライン全体では今後5年で15-20%の機材が退役すると見る。
ボーイングは「さらに20-25%の機材が運航停止になっても驚くに当たらない」としており、2025年までに6,475機が退役することになる。この計算の根拠としてボーイングは2019年時点で25,900機が供用中としている。
航空サービス関連のうち残る15%相当は訓練、「デジタルソリューションおよびアナリティクス」に二分されるとし、後者には燃料消費最適化、機材管理のソフトウェアが含まれる。
「デジタルソリューションはパンデミック初期段階で必須となった。運航側が環境へ迅速に適合しようとしたためで、財務上もその必要があった」とボーイングは指摘している。「エアライン多数がデジタルソリューション投資の価値を認めており、デジタルトランスフォメーションで業務を迅速に変化させつつ、データ分析・活用の効率化で差をつけようとしている」
ボーイングは運航データを活用し保守点検を最適化しつつ想定外の事態の発生を抑え、また在庫を微調整して運航の信頼度を損なうことなく支出を最小限化することに業界の関心が高まっていると注目している。
訓練に関してボーイングは仮想学習の急速な普及を指摘している。COVID-19に伴う規制のため各社は適正な訓練を対面方式を使わずに行うことを求め、仮想学習のトレンドが強まっているとする。■
Boeing Sees Services Recovery By 2025
Sean Broderick September 14, 2021
https://aviationweek.com/mro/boeing-sees-services-recovery-2025
Senior Air Transport & Safety Editor Sean Broderick covers aviation safety, MRO, and the airline business from Aviation Week Network's Washington, D.C. office.
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