Credit: Flydubai
6月のボーイングの受注や引渡しの足を引っ張ったのがフライドバイが737 MAX65機の発注をキャンセルしたこと、および787製造で見つかった品質問題となった。
受注は合計219機で、うち200機はユナイテッドエアラインズによる737MAX 発注だった。この規模は2018年6月以来最高となった。また18機は767-300FでFedEx Expressの発注だった。同社は20機発注を発表しており、2機は条件付きとなっている。
一方キャンセルは73機にのぼり、フライドバイの存在が大きい。同社は機材を737で統一し、MAX15機を運行中で171機を発注中だ。
キャンセルしたのは機材構成の見直しで737 MAXの運行停止措置の影響もあり、同社の乗り入れ国の規制当局の動きを受けている。その中でインドはまだ解除していない。同社は運航停止中の機材から稼働させ、発注分の引き渡しを中止させた。
BOC AviationはMAX5機をキャンセルし、名称非公開の顧客がMAXビジネスジェット型一機をキャンセルした。その他英空軍はE-7Aウェッジテイル2機をキャンセルした。RAFは当初5機発注していたが国防体制見直しで二機削減する。
結局6月の純受注数は146機となり、五カ月連続で受注数がキャンセル分を上回った。またASC606会計分類では56機追加となり、737が49機、7787を7機の確定発注をうけつつ納入は確定していない。6月30日時点の受注残は4,166機となり、これと別にASC606分で918機がある。
6月の引き渡し総数は45機で2019年3月以来最大となった。うち、737 MAXは33機で月間引き渡し数としては2018年12月の実績を上回った。またP-8哨戒機を米海軍へ2機納入している。
6月のワイドボディ引き渡しは10機で、ターキッシュエアウェイズ向け787-9が一機あるが、同機の耐空証明は2020年末に出ていたが、引き渡しまで5カ月以上経過したのは製造上の品質問題が関連している。5月に再度引き渡しが止まったのは新規の耐空証明が必要となり、ボーイングはFAAに対し社内にある機材の点検手順の有効性を証明し、引き渡し再開を図っていた。同社は生産関連の問題数点について解明の上、一部は是正措置を施し耐空性能を保証するとしている。
787問題は機体構造の接合部にあり、設計仕様を満たしていないことにある。一部では問題解決のためのシム寸法がまちがっており、ギャップが許容限界を超えている。
ボーイングは接合問題が各所で発生していると明らかにしており、胴体バレル間もその一部とし、点検の上必要に応じ再作業しているとする。前圧力バルクヘッドでも仕様通りになっていないことが見つかったとし、これはセクション41と呼ぶ機首部分で、製作はスピリットエアロシステムズだった。
点検再作業に加え、検証作業が未完了のままで新たに前方バルクヘッド問題が発生したためボーイングは787製造ライン人員を点検再作業に配置している。つまり、787の月産数が少なくとも数週間にわたり低下し、月間5機が守れなくなると同社は発表。
問題の山積みによりボーイングは今年末までの787納入予定100機の半分しか達成できなくなると予測している。なお、2021年の787実績は14機となっている。■
MAX Cancellations, 787 Issues Dim Boeing’s June Orderbook Momentum
Sean Broderick July 13, 2021
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