ユナイテッドエアラインズは機材大量発注の準備に入っており、来週にも発表となれば、米エアライン業界で旧型機を一番多く抱えていた同社で機材更新が始まる。
ユナイテッドは500機超を運行中だが多数は数十年前の機材で、現在発注中は300機に満たず、機材更新にはさらに数百機の発注が必要だ。
6月29日に投資機関向け説明会とメディアイベントがニューアークのリバティ国際空港で開かれるとの噂が流れている。
経済誌フォーブスは6月23日にユナイテッドは来週にも「史上最大規模の発注」を発表すると報じ、業界筋二名の情報源があるとした。発注はエアバス、ボーイング両社が含まれると伝えた。
エアライン向けコンサルタント企業ボイドグループ・インターナショナルのマイク・ボイド社長はユナイテッドがエアバスの最新機材A220を発注すると見る。同機は以前はボンバルディアCシリーズだったがエアバスが2018年に事業を買収し再ブランド化したものだ。
「A220-300の発注になるのではないか」「運行効率が最大かつ運行を柔軟に行える機材だ」(ボイド)
だがボーイングも「売る気満々」とボイドは述べた。ボーイングは貿易戦争のため中国よりの発注が消えたため、新規営業に必死だ。
ユナイテッドは同記事へコメントしていないが、以前出た別記事で大量発注を予測した内容に再度コメントしている。同記事では発注規模を200機程度としていた。
「現時点でボーイングまたはエアバスと新機材導入の話はしておらず、機材発注の仮定についてコメントもしない」
投資銀行Cowenの航空分野アナリスト、ヘレイン・ベッカーは6月23日に「ユナイテッドが新規機材発注を発表しても驚かない」としたアナリストメモを発表し、さらに来週のイベントで「新路線関連の発表」の他戦略方針が発表されそうだとした。「電動航空機発注の発表が出ても驚かないだろう」
Cirium機材データベースを見るとユナイテッドは850機を運用しており、平均機齢は16.4年とある。これに対し、デルタエアラインズ、アメリカンエアラインズはそれぞれ14.8年、12年となっている。
米国の低運賃エアライン、超低運賃エアラインはさらに新しい機材を運用しており、JetBlueエアウェイズは11.4年、スピリットエアラインズが6.8年、フロンティアエアラインズに至っては4.2年となっている。旧式機を投入することで知られるアレジアントエアでも14.7年だ。
ユナイテッドの発注中機材はエアバス(95機)とボーイング(180機)の合計275機で、うち45機がワイドボディのA350-900と787-10が1機だ。ナローボディはA321neoが50機、737MAXが179機となっている。
同社はエアバス、ボーイングにオプション129機も設定している。また、ユナイテッドは今月初めにブーム・スーパーソニックが開発中の超音速旅客機オーバチュア15機導入を決定し、さらにオプション35機とした。オーバチュアの初飛行は2026年、路線運航開始は2029年を予定している。
またCirium機材データベースではユナイテッドがA320系128機、ボーイング機を364機運行しているとある。うちMax 9が30機、737NGが295機、757が39機だ。
37NGの半数近くが機齢20年超で、757は17年から26年となっている。A320系も平均22年とCiriumのデータにある。
ユナイテッドは軸足を個人客に移そうとしており、コロナウイルスの影響脱出も予想より早くなりそうな中、直行便を増やしながら、ハブアンドスポーク型の機能を強化したいとする。この方針では小型機を多数導入して、中小都市への接続便を増やす必要が生まれる。
同社による投資機関向け説明会は6月29日現地時間0800時の予定。■
United, with one of USA’s oldest fleets, poised for huge aircraft order: reports
By Pilar Wolfsteller24 June 2021
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