2020年3月27日金曜日

アジア太平洋の各空港の収益減は総額239億ドルとの分析が出ています。


APAC airports could lose $23.9 billion revenue: trade association

By Cirium27 March 2020
国ウイルスによりアジア太平洋各地の空港は総額239億ドルの収入減との試算が国際空港協議会アジア太平洋支部から出た。中東地区では57億ドル減となり、ACIでは各国政府に空港支援を訴えている。▶ACIアジア太平洋支部には113会員の602空港が49カ国に分布しており、地域では中東地区とアジア太平洋地区にまたがる。▶流行が長引けば通年で15億人の旅客需要減になるという。▶第1四半期のアジア太平洋地区の収入減は56億ドルとなり、以前の予想の2倍に膨らんでいる。中東でも10億ドル減で、通年でこの2倍になるという。▶ACI世界本部は「通常通り」との予想を以前出し、アジア太平洋地区の各空港は第1四半期は124億ドルの収益を見込んでいた。▶ACIアジア太平洋の事務局長ステファーノ・バロンチは「最新予測では各空港に極めて厳しい状況」と語る。▶ACIによれば域内トップ12箇所のハブ空港で1月から実績がおちはじめ、3月第二週は平均80パーセント超の落ち込みだという。▶「今こそ航空業界の復帰力を後押しする救援策が必要で、雇用を守り、景気回復を待つべきだ」(バロンキ)▶ACIアジア太平洋支部が各国政府に求めているのはスロット使用条件の緩和であり、空港使用料の一時停止または先送り、空港収益の保全とともに財政支援をおこなうことで、特に地方空港が深刻という。▶「一部政府に対策の選択をまだ決意できていないところがある。ACIアジア太平洋支部は特定のエアラインを相手にするのではなく航空業界の誰もが息をつける救済策を強く求めたい」(バロンキ)■

2020年3月21日土曜日

ボーイングが中国ウィルス危機生き残り策を発表

Boeing executives to give up all pay

By Pilar Wolfsteller21 March 2020
boeing building
Source: Boeing

ーイングは中国ウィルス危機で苦境に立つ同社の生き残り策を発表した。
3月20日付けの同社声明文では最高経営責任者デイヴ・カルホーンとラリー・ケルナー会長が今年いっぱい役員報酬を返上するとある。
同社は株式配当も取りやめ、追って発表あるまで自社株買いも停止する。ただ同社では737Maxの墜落事故が重なり346名の犠牲者が発生したため同機運行を停止した昨年から自社株買いはしていない。
「当社はあらゆる資源を投入して事業継続を図り、従業員及び顧客を支援し、サプライチェーンを維持して長期化が危惧されるCOVID-19危機を乗り切る」(ボーイング)
今週はじめにはニッキ・ヘイリー取締役が同社が政府に600億ドルの航空宇宙産業の救済策を要望したことに異議を唱え辞任した。同社は雇用250万名分を守り、ウィルスの被害を抑えるためこの規模の救済策が業界に必要と主張していた。
ボーイングが支援策を求めたのと同日にドナルド・トランプ大統領がボーイングはじめ旅行関連業界の支援策を誓い、エアライン含む各社に税制優遇、交付金、貸付金など総額580億ドル規模だとした。
ところが20日になり、トランプ大統領は政府から救援策を受け取る企業に対しては株式買い戻し禁止措置を課すと述べた。エアライン各社やボーイングにはここ数年の株式市場の活況を受けて自社株買いを活発に行い批判を受けていた。
今回の中国ウィルス流行に先立ちボーイングは737Maxの運行停止で苦境に立たされていた。旅行禁止措置と需要減少でエアライン各社も機材多数の運行を取りやめたり、発注機材受け取りを先送りにしたり、解約する動きが出ている。引取予定の変更や解約は今後更に増えると見るアナリストも多い。■

2020年3月20日金曜日

ボーイングが600億ドル、その他業界から政府への中国ウィルスによる損害への支援策を求める声が続いています。

Boeing Calls For $60B In Coronavirus Aid For Aerospace Manufacturing

Michael Bruno March 18, 2020


ボーイングは米政府に最低でも600億ドル規模の航空宇宙産業向け支援を求めている。COVID-19中国ウィルス危機状況への対応としてで、航空旅行需要の低下が世界規模の不況の引き金になる懸念が強まっている。

「エアライン各社、各空港、サプライヤー、メーカー各社の業績回復の呼び水の重要度は他にまさる」とボーイングは3月17日、声明文を発表。「航空業界全般の健全性を支える意味で資金が必要。ボーイングの流動性へのテコ入れはサプライヤー向け支払いに使われ、サプライチェーンの健全性が保てる」

政権、議会の指導層は交渉中で政権は約1兆ドルの刺激策を議会に3月17日提示している。

航空宇宙産業の長期見通しは「依然堅調とはいえ、グローバル規模で旅客需要が正常に戻るまで有効な対策がないと航空部門並びに経済全般への影響を制御しきれない」とした。

ボーイングは流動性支援を公的資金・民間資金両面で求めており、貸付保証もその一部だ。航空整備基盤協会は米国航空修理企業を代表し、同じく3月17日に110億ドル規模の助成金・貸付金、税制優遇を求め、懸念される今後の需要後退に対応したいと主張。米エアライン各社も580億ドルの財政支援を求め、米国内の空港各地も100億ドルのテコ入れを要望している。

ボーイングと別に航空宇宙産業協会(AIA)会長エリック・ファニングも支援を求める声明文を発表した。「航空宇宙分野国防分野に従事する企業ほど我が国の繁栄、グローバル競争力の維持に強く関連している存在はない。現状では各社に異例の課題がのしかかっており、全米でサプライチェーンも悲鳴を上げている。米経済に大きな影響が発生している」

AIAが求めるのは「官民投資を一時的に投入」し、流動性つまりキャッシュフローを高め、サプライチェーン全体で中国ウィルスに対応することだ。さらにAIAは政権および国防総省は国家安全保障問題として認識、国防用製品サービスの提供業者を指定すべきとする。また、政府契約担当部門に支払いに加え契約交付の迅速化を政府上層部が指導するよう期待している。■

2020年3月14日土曜日

デルタが300機運行停止、ヨーロッパ路線は全便運休

Delta to ground 300 aircraft and cut all flights to mainland Europe

By Pilar Wolfsteller14 March 2020

ルタエアラインズは保有機材の3割300機の運航を停止し、ヨーロッパ本土へのフライト全便をキャンセルする。▼ この措置で運航能力が4割減の状況が数か月続く。デルタ史上で最大の削減で、2001年9月11日のテロ攻撃の直後より大規模だ。▼ 「ここまで需要が急速に冷え込むのは今まで見たことがない」と同社CEO エド・バスティアンは3月13日付けで全社員に伝えている。「キャッシュを維持し、社を守る方向へ急いで舵を切る」▼ 同社は機材引渡しを先送りし、IT関連支出を削減するほか、経営コンサルタントや委託業者を減らし、社員には自主的無休休職を勧める。▼ 業界は絶壁を落ちる状況にある。米エアライン大手でアジア、ヨーロッパ、南アメリカ路線を運休あるいは削減する動きがみられ、第一四半期の売上は大幅減の予測。ヨーロッパからの米国入国禁止措置を受け米エアライン大手全社が利用客の予約取り消し、利用便変更を追加料金無しで認めている。▼ 「状況は流動的だが今後悪化しそうだ」とバスティアンは述べている。同社は政府と「今回の事態を乗りきるためどんな支援が可能か」協議中だという。
デルタの運航機材は910機とCiriumデータベースにある。■

2020年3月7日土曜日

ブームの超音速旅客機への実証機XB-1の初飛行予定が遅れる

Boom’s XB-1 Supersonic Demonstrator Slips Into 2021

Graham Warwick March 05, 2020

XB-1
Credit: Boom Supersonic

ームスーパーソニックの同社がめざすマッハ2.2のオーヴァーチャア旅客機の三分の一大の実証機XB-1はについて、初飛行が2021年中頃に変更となった。同社CEOブレイク・ショールが米商業会議所主催の航空サミットで明らかにした。
ジェネラル・エレクトリックJ85三基を搭載するXB-1は今年初飛行と期待されていた。最終組立はデンバーセンティニアル空港にある同社施設で進行中で、今年夏に完成するとショールは述べた。ロールアウト後一年かけ地上テストを行うという。
同社はフライトリサーチ社と共同でXB-1を運用し、フライトシミュレーター、非呼制御室をモハーベ宇宙空港(カリフォーニア州)に設置の上、超音速飛行はモハーベ砂漠上空の特別空域で行う。
XB-1のフライトテスト全体はカーボンニュートラルで持続可能航空燃料(SAF)と廃棄ガス抑制効果を組み合わせる。ブームはSAF85%混合でJ85エンジンを地上運転している。
ブームは同機を55-75席のオーヴァチュアに発展させ、2020年代中ごろの初飛行、2020年代末の路線就航を目指している。
他方でエアリオンはマッハ1.4超音速ビジネスジェットAS2の初飛行を2024年にめざしていると同社CFOマシュー・メジアが同サミットで明らかにした。テスト機材5機を制作し、うち一機はSAFのみで飛行させる。エンジンはGEアフィニティ超音速ターボファン三基で、2026年末の運用開始をめざすという。■

2020年2月23日日曜日

中国航空需要の急すぎる減少、いまやポルトガル程度の規模へ

ブルームバーグの記事です。今回の事態が今後どんな影響を与えるのか、制限が解除されれば再び人の大移動で中国路線が活況を呈するはずですが、一体いつになるのか興味津々というところですが、キャッシュフローの悪化で整備不良となるエアラインが生まれないことを祈るばかりです

 

China’s Aviation Market Shrinks to Smaller Than Portugal’s

2020年2月18日 12:02 JST

 

2020年代中には米国を追い抜く予測まで出ていた中国の航空需要だが、コロナウィルス流行で急減少し、かつての世界三位が今や25位とポルトガルの次となってしまった。
湖北省を中心には流行が広がったことからエアライン各社が中国運航便を次々に削減し、1月20日から2月17日にかけ170万席およそ8割が運行停止となった。一方で中国国内線では1,040万席分の運行が削減された。いずれもOAGエイビエーション・ワールドワイド調べ。
「コロナウィルスにより壊滅的な効果が生まれている」とOAG上席アナリストのジョン・グラントが記している。「多くの面で改めて中国市場の占める大きさと航空サービスのグローバル化の影響を思い知らされる」
コロナウィルスの封じ込め策で中国路線を運行中止するエアラインは多く、中国から香港、台湾向け路線では5週間で25万席分が消え、中国三大エアラインの国際線では8割から9割が削減された。
その結果、中国南方航空の運行規模はカザフスタンのエア・アスタナをわずか800席上回る規模にまでに落ち込み、中国東方航空チュニスエアをわずかに上回る程度だという。両社の削減規模は週あたり20万席とOAGは把握している。
「ウィルス騒動が落ち着いても今回の影響が長期的成長に効いてくるエアラインがあらわれる」とグラントは見ている。■

2020年2月22日土曜日

ベルのEDAT技術は電動ヘリコプター実現の大きな一歩になりそう

まだ道は遠いのですが、ここに来て電動航空機の可能性が高まってきました。地道な技術ですが今後の動向に注目です。(ターミナル2同時配信記事)

EDAT testbed
フライ・バイ・ワイヤでトルク打ち消しを可能とした試験機Credit: Bell Helicopter

ベルがこっそりと電動トルク打ち消し装置の技術実証中で、電動垂直離着陸機(eVTOL)の実現に向かう可能性がでてきた。
同社の電動分散トルク打ち消し (EDAT) 技術試験機はモデル429双発軽ヘリコプターを改造し、固定ピッチ電動ファン4つを垂直安定装置にとりつけ、従来型テールローターを廃止している。
回転翼機で電動トルク打ち消し機能の開発が進んでいるが、ベルのEDATが最初に飛行にこぎつけた。テストは昨年5月に関心を集めることなく始まっていた。ベル試験施設があるケベックで試験機がホバリングする映像が公開されてEDATの存在がはじめて明らかになった。
自社資金で始めた研究開発にオタワ州政府が2018年に助成金を交付しており、安全と騒音軽減での利用者の期待の高まりに対応していくとEDAT主管のエリック・シヌサスが語っている。「安全と運行経費の改良を求める声が利用者の皆さんからでています。騒音への関心がこれまでになく高まっており、技術陣にプレッシャーがかかっています」
ヘリコプター騒音の大半はメインローターとテールローターの干渉が原因で、テールローターをダクト化すれば騒音が下がる。
ダクトは以前からある。エアバスは古くは1960年代に遡り採用している。だが電動の採用でトルク打ち消し効果が最大限必要ない段階ではファン回転数を下げて、騒音を減らせる。同社はEDATの騒音レベルを公表していないが、テスト記録では「通常の429型より相当下がっている」とシヌサスは述べている。
安全面で通常のテールローターは危険発生源となり、地上でもエンジンが回転する間は危険だ。これに対しEDATはメインローターが回転中でも停止できる。運行経費でも良い効果が生まれる。テールローター用の複雑なギアボックス、シャフトがなくなり点検整備が楽になる。
だがEDATの採用で大幅な設計変更が必要となる。機械式のトルク打ち消し制御のかわりに、フライ・バイ・ワイヤでファン4つをペダル操作する。空冷式ファンモーターに液冷発電機が付き、搭載するプラット&ホイットニーPW207タービンが動力となる。これまでのシャフトの代わりに配線が機体後部に走っている。モーター、発電機はサフランが供給する。
ファンが4つあることで冗長性も生まれる。地上テスト結果からわかったのはファン4つ全部が使えなくなってもトルク打ち消し効果がある程度確保されることだ。通常のヘリコプターでテールローターが故障すると墜落こそしないものの危険になる。
別の観点は応答性だとシヌサスは述べる。「大型ファン一基あるいは中型ファン2基の場合は回転慣性が働き、応答性が下がる」とし、4本式の採用が必要だという。
ヘリコプター業界では電動トルク打ち消し装置の研究が進んでいる。レオナルド・ヘリコプターズはAW139のテールローターを改装しており、ベルのFC-X試験機は2017年に発表されており、電動ファンを採用している。
次の段階はEDATの飛行性能の拡大とともに技術の適正化にあり、特に重量が問題となる。「これを踏石にし、完全電気機体につなげたい。型式証明取得も問題ではないだろう」(シヌサス)■
この記事は以下をもとに再構成しています。

Bell Achieves Electric Anti-Torque Flight First

Tony Osborne February 20, 2020


エアバスがA321XLRの第2生産施設として旧A380組立ラインを転用―320neoファミリーの受注残は1万機で、321neoが中心

  Photo: Photofex_AUT | Shutterstock エ アバスはフランスのトゥールーズにある最終組立ライン(FAL)でA321XLRの組立てを開始した。 フランスでのA321XLRの組み立て トゥールーズを拠点とするLa Dépêche紙記事によると、エアバ...