低地球軌道(LEO)は幕を開けつつある衛星ネットワークブームの舞台となる。「直近5年間で衛星運用は3,000パーセント増加した」とジョージア工科大のマリエル・ボロウィィッツ准教は指摘。「これだけでもすごい規模だが、序章にすぎない」
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2010年から2020年にかけ地球周回軌道上の実用生成は958機から3,371機に増加したと衛星産業協会の最新報告書にある。だが252%増もこれからの増加率の前には小規模に映るはずだ。
「2030年までに10万機が軌道上を回っているはず」とスティーブ・ウルフは指摘する。公共政策専門シンクタンクBeyond Earth Instituteを共同で立ち上げて理事長をしている。「驚くほどの増加だ」
宇宙経済は2040年に1兆ドル規模に成長するとの予想がある。低地球軌道上に打ち上げられる大量の衛星がけん引役となり、スペースXのスターリンク、OneWebのグローバルブロードバンドなど既存の衛星運用会社がさらに機能や用途で細かく分けた衛星を打ち上げ、地球静止軌道(GEO)上の衛星が担当してきた通信サービスが大きく変わりそうだ。
設立52年周年のカナダ企業テレサットはGEO上に13機の衛星を運用しているが、50億ドルを投じLEO衛星ネットワーク、Lightspeedを立ち上げる。「ブロードバンド接続への需要が世界各地で増加している」と同社CEOダン・ゴールドバーグが語っている。「三年で倍になるペースとの予測だ」
SESは70機以上の衛星を運用しており、ボーイングに同社のO3bネットワーク中地球軌道(MEO)用新型衛星群を製造させる。MEOとは高度5千マイルほどの位置になる。O3b mPower ネットワークは2023年までに軌道上に完成し、ボーイングの702X新型衛星を使用する。これは完全にソフトウェアで仕様変更な衛星で、LEO、MEOあるいはGEOに対応し、市場需要に応じ帯域を変更可能だ。
「ソフトウェア依存で完全な運用柔軟性を有する衛星はこれまで存在しなかったのですでに顧客層からの引き合いが相当来ている」とボーイング・コマーシャルサテライト・システムズ社長のライアン・レイドが語っている。
ボーイングはLEO衛星需要にも注目し、スペースX、OneWeb、アマゾン他のブロードバンド衛星運用会社の関心を集めている。レイドもパートナー候補と商談に入っていることを認めている。「たとえば当社がスペースXのスターリンクと直接競合することはないが、当社の顧客企業ではありうることだ。そこで当社の立ち位置は各社に解決策を提供し、当社の技術での支援を使っていただくこと」としている。■
Burgeoning Satellite Industry Paving Way To $1 Trillion Space Economy
Irene Klotz August 24, 2021
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