ロシア政府のツボレフTu-214がロシア政府関係者をアフガニスタンから脱出させた。ロシアから第三国への亡命を希望するアフガン国民にも自国航空機の利用が提示されている。 (Photo: Vladimir Karnozov)
タリバンから逃れ国外脱出を求めるアフガン国民向けにロシアが「民間航空サービス」提供に乗り出す。ロシア外務省報道官マリヤ・ザカローバが8月19日に発表した。ウラジミール・プーチン大統領がタジキスタン、イラン、ウズベキスタン、フランス、イタリアの各国首脳と電話会談をした成果だという。
「カブール国際空港の状況が悪化しており、また西側諸国が自国部隊や関係者の国外脱出にもてこずる状況では各国に協力したアフガン国民の移動もままならない状態だ。アフガニスタン国内の人道状況をこれ以上悪化させないためにも、ロシアは民間航空機によりアフガン市民多数を受け入れを受諾する各国に移送する準備がある」と同報道官は外務省の通常報道記者会見で述べた。
合わせてロシア自身もロシアとつながりを有するアフガニスタン国民等を受け入れる。アフガニスタン国内にはロシア人約100名がおり、ロシア大使館に登録しており、多くが現地人と結婚したロシア人あるいはソ連ロシアで教育を受けたアフガン人であり、ロシアへの移動を希望している。「大使館領事部はこうした申請の処理に集中している」(ザカローバ報道官)ロシア入国当局は8月22日期限でアフガニスタン退去にむけた準備を済ませるよう通告している。
「アフガン当局から新たにロシア側へ連絡が入り、ロシア民間航空機による空港利用に異議はないと伝ええてきた。乗員乗客の安全は保障するとも伝えてきた」(ザカローバ報道官)
同報道官はロシア外務省が現地エアライン、アリアナアフガンエアラインズを利用してきたとも述べている。「この選択肢が機能しなくなり特別チャーター便でロシア国民を移動させる」とする。
タリバンがカブール空港への各国着陸申請を拒否する例が増えており、あくまでもケースバイケースであるとし、米空軍には例外的に8月30日までの期限としているが、9月に入って10日程度の延長となりそうだ。
現在カブール空港に出入りしている民間機としてはターキッシュエアラインズのボーイング777があり、同機はイスタンブールに移動している。ただし同社は8月16日のフライトの詳細を明らかにしていない。
8月18日にはロシアのUTAir運航のボーイング767一機がモスクワからカブールに到着した。国営TASS通信によれば国連アフガニスタン援助ミッションのチャーターで通常の人員移動を行っているとある。
アフガニスタンを脱出した避難民の到着地に各国が機体を送っており、ルフトハンザはウズベキスタン首都のタシケントにA340一機を送り、避難民130名をドイツ政府によるエアブリッジの一環で輸送している。
アフガニスタン上空の空域ほぼ全域は民間飛行に閉鎖されており、エアライン各社が大幅な回り道を強いられている。影響はヨーロッパアジア間を結ぶ路線で顕著で、例としてブリティッシュエアウェイズ3599便がロンドンからバンコクに向かうため通常より南を飛ぶ航路に変更した。定刻より二時間余分にかかり、燃料消費も15トン追加となった。
ICAOでは緊急事態調整チームを今週発足させ、アフガニスタンに出入りする航空輸送の調整に乗り出しあ。IATAも会員企業と調整に入る。
IATAはカブール空港の運用業務を軍が担当している事実を認め、近隣諸国の航空管制当局と増加交通量の処理で合意しているという。■
Russia Offers To Fly Afghans Out of Kabul with Airliners
by Vladimir Karnozov and Charles Alcock
- August 19, 2021, 1:21 PM
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