2021年5月24日月曜日

超音速ビジネスジェットの製造を目指すアエリオンが資金不足で業務停止に。112億ドルもの受注があるのだが....資金集めがうまくいくか注目。

 



Aerion AS2

AS2超音速ビジネスジェットには112億ドルもの受注があるが、アエリオン社は同機の生産段階開始に必要な資金を調達できていない。このため、同社の業務は2021年5月21日に停止された。 (Photo: Aerion Corp)


エリオン社 Aerion Corp. が業務を停止した。超音速機ファミリーの実現に必要な資金が底をついたためだという。同社の発表によれば、第一弾となるマッハ1.2のビジネスジェットAS2で112億ドルの受注が生まれたが、「昨今の財務環境ではAS2の生産開始に必要な大量資金を予定通り確保するのが困難となった。この状況を鑑みて、アエリオン社は現状の財務状態にふさわしい行動をとることとした」


今回の動きの半年ほど前に同社は3億ドルの新本社をフロリダのオーランド・メルボーン国際空港に完工したばかりだった。またAS2をめぐりサプライヤー関係を強化しており、ハネウェルコリンズ・エアロスペーススピリット・エアロシステムズがエンジンメーカーのGEエイビエーションに加わった。


同社には相当の受注や購入合意書が入っており、発注者にはフレックスジェットFlexjet ネットジェッツNetJetsも含まれる。「フレックスジェットはAS2を2015年にアエリオン・スーパーソニック時代に発注し、それ以来同社の事業を支援してきた」と同社の親会社ディレクショナル・エイビエーションDirectional Aviationのケン・リッチが述べている。「特に最近行われた設計変更および画期的な技術に好印象を持っており、アエリオン会長社長兼CEOのトム・ヴァイス、その配下のチームの手腕を評価している。同社が業務停止になったのは残念だが、これだけの事業には相当の投資が必要だし、実現までには当然ながらリスクもあることは理解できる」


アエリオンは当初2023年に生産開始の予定で初飛行を2020年代中ごろと想定していた。一方で3月にはより大型でごく超音速に近づくAS3旅客機構想を打ち出しており、NASAとも技術開発で協力を模索していた。


同上についてアエリオンは今後どう展開するかを詳しく説明していない。「アエリオン社は世界有数の社員、パートナーを集め、全員の努力で超音速飛行を持続させる画期的な空の旅という夢を実現する」と同社は声明を発表。「当社の立ち上げ以後、画期的な技術革新にくわえ最先端の技術、知的財産が生まれている」とした。■


Supersonic Bizjet Developer Aerion Halts Operations

by Kerry Lynch

 - May 21, 2021, 7:45 PM

https://www.ainonline.com/aviation-news/business-aviation/2021-05-21/supersonic-bizjet-developer-aerion-halts-operations


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