2020年2月9日日曜日

NMA開発決断が待ったなしのはずのボーイングだが、煮え切らない態度のままなのはなぜ

Boeing has no time to lose on NMA decision

By Pilar Wolfsteller6 February 2020

業界ではボーイングは中規模機NMAの開発の決断を急ぐべきとの声が出ている。同機事業は737 Max の危機的状況を受け重要性がましている。
ボーイングCEOディヴィッド・カルホーンは先週NMA事業にブレーキを掛けた。同社は次期機種の市場規模を再評価するという。
「双通路機で単通路機の経済性を実現できるかが問題だが難しいだろう」とTeal グループ副社長リチャード・アブラフィアは2月5日述べている。「カルホーンの決断先送りに賛成する。ただ事態は深刻で中規模市場向け機種開発に向かわないと結果は取り返しがつかなくなる」
ここ数年ボーイングはNMA開発の着手をにわたり口にしており、270席で4千ないし5千カイリ(7,400-9,300km)の性能の想定だ。だが737 Maxの飛行停止措置のためNMAの2020年代中頃の販売開始想定が危うくなっている。一方でエアバスは2019年のA321XLR投入で中間規模市場攻略を開始した。このためボーイングは需要に取り残される危険に直面しており、経済性にすぐれた単通路機が双通路機よりおよそ2対1の割合で人気を集めている。
「以前は1対1だった単通路機と双通路機の市場規模が2対1になり、7割3割にもなりえる。長期的には単通路機が主流になりそうだ」「Maxは非常に厳しい事業環境だが、同時にボーイングにもここ数十年で最大の難題となっている。Maxが市場の大変換点で強力な競争相手に直面する中で技術的な問題に直面しているからだ」(アブラフィア)
エアラインにはNMAを一刻も早く欲しいとの動きがあり、757や767の老朽化が背景にある。ボーイングが新型機開発を早期開始しないとユナイテッドデルタ含む各社で運行中の330機がエアバスの新型長距離単通路機に更新される可能性がある。その中でエアバス以外の選択肢が必要という。ユナイテッドはA321XLRを50機昨年12月に発注しており、納入は2024年から始まる。
カルホーンCEOは同社が民生機市場への新型機導入効果の評価中と述べており、NMA以外の選択肢もあるかもしれない。同社は好評のA321neoへの対抗機種として新型機を開発する考えはないとし、パイロットとシステムの相互作用を中心にした飛行制御システムの開発に集中しているとアナリスト陣に語っている。■


ボーイングが相当苦境に立っていることが伺えます。エアバスとの差が今後拡大していくと大変なことになります。さらに中国に大きな期待をしているボーイングが今回のウィルス騒動で大きな後退を迫られる可能性もあり、ここ数年は苦しい状況が続きそうです。A321の拡大版で長時間のフライトは勘弁願いたいので、ボーイングには再び空の旅を快適にしてくれる新型機開発をお願いしたいものです。

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