2021年6月20日日曜日

Covid感染防止策で根拠を示せさないままの英政府にライアンエア等が訴訟を起こした。渡航制限の根拠を開示せよ、透明性ある科学を根拠とする政策を要求。

 こうした訴訟は日本では無理でしょうね。長いものに巻かれろ、お上には逆らうな、という姿勢が航空業界にしみついていますからね. しかし、根拠を示せないままの政策に不満がたまる一方ですので、こうした行動を取る動きがいつ出てもおかしくないのですが。

Manchester Airport

マンチェスター空港グループ、ライアンエア両社はCovid流行を理由とする移動制限が航空運輸業界を不当に混乱させていると主張する。(Photo: Manchester Airport Group)


英国で一部航空会社、空港運営事業体とCovid大量流行を理由とする英政府の旅行制限措置の違法性を訴える訴訟をおこしている。制限の根拠となる理由を開示し透明性を求めると、低運賃キャリアのライアンエアマンチェスター空港グループが高等裁判所に政府の政策に対する司法判断を求めた。両社によれば他の英キャリアにも訴えに同調する動きがあるという。


法曹界には英国が導入した旅行需要軽減策として旅行客の出発国リスクを緑、黄色、赤の区分にわけ、新型コロナ検査及び隔離措置の対象としたのは科学的措置とは言えず、不合理な損失を航空業界に与えているとの意見がある。この区分で米国および欧州内の大部分の国が黄色区分とされており、訴訟の背後にある企業は大きな影響を受けている。


理論上は英国民は黄色区分国への渡航が可能だが、同時に英政府は渡航は必要不可欠なものに限るとしているため、不必要な混乱を招いているとの批判が絶えない。また、英国への入国者は全員渡航前にCovid検査を受け、到着後も二回検査の対象となり、同時に10日間の隔離措置を受けるのは旅行コストを上昇させ意欲を下げる措置だとの批判がある。ワクチン接種済みの利用客も措置が適用される。これに対し、EU加盟27か国は7月1日を目標に、ワクチン接種済み外国人旅行者客向け制約の撤廃に向け動いている。逆に英政府は6月21日に予定していた国内向け制約の解除を取消した。デルタ変種のまん延で制限措置の延長が必要なためだ。


裁判所は英運輸相グラント・シャップスおよび保健相マット・ハンコックを被告人とする訴訟の準備に入った。原告は政府に今回の国分類に至った過程の説明を求めるとともに根拠となるデータの開示を要求する。また、非常に短い告知で分類を変化した決定のいきさつも問いただすという。


ライアンエアCEOのマイケル・オリアリーは「目まぐるしく変更されてきた政策により航空業界は多大な損失を計上し、英国国民多数に休暇旅行の計画で不満と混乱が生まれたのはすべて政府の国際渡航措置の失敗のせいだ」「ボリス・ジョンソン首相には一連の措置の科学的根拠の説明を求めるとともにデータをもとにした透明性ある政策を基本にしてもらい、業績を左右する夏の旅行シーズンを控える中で信頼性回復につとめてもらいたい」


マンチェスター空港グループはマンチェスター、ロンドン・スタンステッド、イースト・ミッドランドの各空港を運営しており、政府の政策で旅行業界は継続が困難になっていると主張している。「政府の姿勢がオープンではなく、業界の企画立案の基礎となる政府決定がどう形成されたのかちっとも見えてこず、利用客も旅行予約できず困っている」とCEOチャーリー・コーニッシュは「大部分の国は今回の措置で黄色分類のままだが理由は開示されていない。各国の感染状況は英国より低いのだが」と語っている。


今回の法的手続き開始発表に際し英政府からは反応は出ていない。■


Airlines, Airports Sue UK Government Over Covid Travel Rules

by Charles Alcock

 - June 17, 2021, 9:27 AM


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